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『西洋菓子店 プティ・フール』 千早茜 (文藝春秋)
初出「オール讀物」。西洋菓子店を舞台とした6編からなる連作短編集であるが、舞台は甘さが漂っているのに内容がビターであるところが特徴だと言える。
最初と最後が主人公格である亜樹が語り手となっているが、残りの4編は語り手が代っており、概ね亜樹を取り巻く婚約者である弁護士である祐介と亜樹の後輩である澄孝との三角関係を中心に読んでいくと面白いと感じる。
子供時代のトラウマが原因で尖ったというか可愛げのない女の子として描かれている亜樹ですが、手厳しく描かれている様が千早作品のお決まり事のようにも感じられる。読者に対して生きることに対してもがき苦しんでいる姿を敢えて描写しているかのごとく。

個人的には澄孝を追いかけているミカという女の子の章がもっとも意地らしくて印象的で、亜樹に対してはあまり共感できなかったけれど、客観的に見ると人生そんなに楽しいことばかりではないけれど、自分の人生に向き合って生きていく真摯な姿が祐介や澄孝にとって魅力的なのでしょう。
年齢を重ねるにつれ、亜樹はお爺さんにより似た存在に成長しそうですね。今までは不器用だけだったのかもしれません。澄孝やミカの将来の姿も読んでみたい気がする、続編希望。

若手女性作家では個人的には畑野智美さん、千早茜さん、彩瀬まるさんの作品は出来ればコンプリートしていきたいと思っていて、少し作風は違うところが却って新鮮であります。軽い順から畑野→千早→彩瀬ということなのでしょう。読みわけが楽しいです。書き忘れましたが、本作は空腹時に読むと無性にスイーツが欲しくなります、悪しからず。

評価8点。
posted by: トラキチ | 千早茜 | 09:31 | comments(0) | trackbacks(0) |-
『あとかた』 千早茜 (新潮社)
評価:
千早 茜
新潮社
¥ 1,470
(2013-06-21)

初出「小説新潮」。6編からなる連作短編集。
読者の体をもちくりちくりと刺すような感覚で読んでしまいます。刺されて痛いんだけど結構何と言ったらいいのだろう、自分自身と向き合うための痛みと言ったら良いのでしょうか、貴重な読書体験をしたと感じます。最初の自殺する中年男性から群像劇的に繋がって来ます。正直、最初はつまらないと思って読んでいましたが杞憂に終わりました。2編目からはその中年男性に関連する人達が出てくるのですが、まるでその中年男性の存在感をあぶり出してくれるかのごとく作者の描写は輝き始め、いつしか読む終わるのが惜しいような気持ちにさせられます。

それぞれの登場人物、心に傷や他人には知られたくない秘密ごと持っているどこか自然体で生きれないといっても言い過ぎではないような人達が登場し、彼らの時に弱い行動にため息をつき、少し前向きな気持ちになっている彼らに胸をなでおろします。
作品を通して、中年男性の死を無駄にしてはいけないという気持ちが貫かれている点がやはり素晴らしいのでしょうか。登場人物も読者層に合わせて、後半登場する若い男女(松本とサキ)や不倫をしている人妻やそれに気づかない夫などバラエティに富んでいますが、個人的には最後の恋人に過去の堕胎を隠しているフィドル弾きの女性が一番印象に残りましたが、若い読者が読まれたらサキと松本の重いけど前向きな話が印象に残ると思います。
作者のイメージからしてもっと幻想的な作品かなと思っていましたがそうでもなく、身につまされるとまではいいませんが、生きていく上で何が必要か考えさせてくれる作品であると思います。本を閉じたあと、スッキリとした気持ちに包まれました。

作者の千早さんの作品は今回初めて読みますが、北海道出身で幼少期をザンビアで過ごした経歴を持ち立命館大学を卒業後、デビュー作「魚神」で小説すばる新人賞及び泉鏡花賞を受賞しています。
本作は島清恋愛文学賞をも受賞され今回直木賞の候補作となっています。本作での受賞は多分厳しいとは思いますが持っているポテンシャルは極めて高い作家であると言えましょう。

評価8点。
posted by: トラキチ | 千早茜 | 23:39 | comments(0) | trackbacks(0) |-