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『自転車少年記』 竹内真 (新潮社)2009.02.27 Friday
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誰しも子供のときに自転車に乗れた時の感動ってひとしおである。
大人になってみて、それは親子の一大イベントということがわかる。
自分の子供が自転車に乗れた時って、ひとりで歩けるようになった時に次いで二番目の大きな成長の節目とも言えそうだ。
本作は昇平という4歳の男の子が自転車に乗ってというか練習中に坂道を下って止まりきれずに同じ年の草太の家に突入し、そこから永遠の友情で結ばれる二人の少年(始めは四歳だが)の成長記である。
物語は4歳から30歳ぐらいまでを描いている。
主役二人以外の脇を固める人たち(伸男・奏・朝美など)も自分の進むべき道を歩んでいる。
この物語に出てくる人物って“ピュアなハートの持ち主”ばかりである。
とりわけ奏の存在って読者に強烈に潔い生き方を提起してくれた。
ラストで八海ラリーに突如参加するシーンでのセリフが脳裡に焼き付いて離れない。
付き合ってるとか結婚するとか、そういうことだけが答えじゃないと思うよ
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