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『茗荷谷の猫』 木内昇 (文春文庫)
9編からなる東京を舞台とした連作短編集。時代背景が江戸時代末期から東京オリンピック直前までにわたるのが本作の大きなポイントです。
その時代に応じて不器用に生きる人たちを描きながら、実はその人達が精一杯生きていたとわかるのは後の時代にたってからだということです。
その時は本当に小さくて薄っぺらい出来事でも、実は時が流れると他人の目にはとっても奥行きがあるものに映ります。
この人の作品を読むと人生は儚いけど素晴らしいものであるということを教えてくれますね。

背中に重いものを背負っているのは決して自分だけじゃありません。

読み進めて行くうちに、前の話が少しずつリンクされて行きニヤッとさせられます。
冒頭の「ソメイヨシノ」の話が一番記憶に残りそうですが、「隠れる」での偏奇館の小部屋での勘違いな受け取り方の逸話と「庄助さん」での映画好きの青年が突如休んだ理由などが印象的です。

木内さんは滑稽さと切なさとのバランスが実に巧妙な作家で余韻に浸れる読書を約束出来る作家だと思います。
私的には他の作家と比べて読みやすさという観点からエンターテイメント度では見劣りするかもしれませんが、作品全体に芸術性が漂っている完成度の高い作品だと思います。
2度読めばより感慨深い作品だと確信しています。

(読了日12月3日)

評価8点。
posted by: トラキチ | 木内昇 | 09:22 | comments(0) | trackbacks(0) |-