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『どこから行っても遠い町』 川上弘美 (新潮社)
<川上弘美の世界観が十分に表現された作品。>

初出小説新潮及びyom yom。
心地よく流れるような文章に身を委ねれる時間。
本好きにとって最も至福の時なのであるが、川上さんの作品を読むと知らぬうちにその世界に入り込んでいる自分に気づく。

舞台は東京の下町の商店街。
11編からなる連作短編集といったらいいのでしょうね。
いろんな人の視点から物語が語られます。
川上さんは人間の不思議さ・滑稽さを引き出すのが巧みですね。
嫁の不倫相手だった男と一緒に住む男(平蔵さんと源さん)。
あるいは何回も別れてはまた引っ付く女性が15歳も年上のカップル(廉ちゃんとおかみ)。
個性的な登場人物が賑わせてくれますね。
少し難点を言えば、私の読解力不足かもしれないんだけど、登場人物が少しずつリンクしているのがわかりづらかった点かな。
でもそういった部分も作者が意図しているのですね。
そのほのかなリンクをかすりとるのが気持ち良いのすわ。
途中まではそう思っていて読み進めたのです。
評価:
川上 弘美
新潮社
¥ 1,575
(2008-11)

だが本作では最終編で異変が起こるのである。

それまでの自由奔放な10編は少しずつ話がつながっているなという感じを持ちつつ読み進めれるのであるが、感動的というより軽快かつ軽妙に読める部分が大きい。
しかしながら、読者は最後の物語で度肝を抜かれそして泣かせられるのだ。
さすが川上弘美。やってくれますわ。
故人である真紀さんが語り部となってます。
私なりの解釈で言えば“ファジーな部分はファジーなままで、そして語っていい部分は語ってます”ね。
それが川上ワールドなのでしょう。

が、それは言い換えれば、今生きている人達にエールを送っているのである。
それまでは少し風変りな人として読者に根付いていた真紀さんのイメージを覆すのである。
と同時に作者の凄い点なのだけど、読者自身もあたかも自分自身にエールを送ってくれているかのごとく感じるのだ。
それはつきつめて考えると、前述したようにひとつひとつの話は心地よいのだけど、ほとんどの人が多少なりとも話の繋がりがわかりづらかったのである。
川上さんはそこを容赦せずに読者に半ば強制的に陶酔感を感じ取らせるのである。

まるで読者自身が“川上弘美コミュニティー”に参加した如く感じるのである。
川上弘美コミュニティーとは私の言葉で表現させてもらえれば、“一見儚いように見えても人と繋がっていれば幸せが訪れる。人生とはそんなものであるという社会。”
読み終わって満足感だけでなく、最初に戻って読みなおしたいという衝動に駆られた人も多いでしょう。
彼らの幸せを確かめるために。
そう考えると本当に心地よくて切ないですね。

“心地よい切なさ”
川上さんの世界観を表す端的な言葉だと思ってます。
あなたも私と同じような言葉に感じ取れるかを是非手に取ってみてください。
そして存在感のある12番目の物語を演じましょう。
読者自身が幸せな12番目の物語を演じる=作者の願いであると確信しています。

オススメ(9)
posted by: トラキチ | 川上弘美 | 17:53 | comments(6) | trackbacks(4) |-
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こんばんは。
随分とご無沙汰してしまいました。

大好きな川上弘美さん!
でも最近なんとなく遠ざかってて、こちらのレビューを読んで、ムラムラと読みたい気持ちが湧いてきました。
そうですよね、「心地よい切なさ」!
今ちょうど、そういうのを読みたい気分です。今読んでるの終わったら、即図書館です(笑)!
| ゆっこ | 2009/04/14 10:11 PM |
トラキチさん☆こんばんは
生きている人も、いなくなってしまった人も、みんな何処かでつながっているんですね。
わたしもこの世界に入り込みたくなってしまいました。
心地よい切なさかぁ、名言ですねぇ!
| Roko | 2009/04/15 12:15 AM |
トラキチさん、こんばんは。
登場人物が次々と連鎖してゆく様子が、面白かったです。
映画好きなのでグランドホテル形式って思いました。
12番目の物語を演じてみるのもいいかもしれませんね。
| 藍色 | 2009/04/15 2:10 AM |
>ゆっこさん
こちらこそ本当にご無沙汰しております。
川上さんのこの作品はファンの方にはたまらない一冊だと思ってます。
是非お読みくださいませ。
ゆっこさんの大好きな映画のレビューも始めました。
いつでもお立ち寄りくださいね、お待ちしております。

>Rokoさん
真紀さんは迷惑を掛けた2人(平蔵と源さん)に対して特に暖かいまなざしを送っていたような気がします。
ゆるやかながらも心の内側に溶け込んできますよね。本当に心地よい切なさです。

>藍色さん
最初は奥さんと間違えられる予備校の先生が主人公かなと思いましたが全然違いましたよね。
読者=コミュニティの仲間なんで12人目と解釈しました。
私はそんなにエピソードありませんが(笑)
映画のレビューもちょくちょく書き始めましたのでまたよろしくお願いします。
| トラキチ | 2009/04/15 8:25 PM |
こんにちは。
最後に真紀さんが出てきてよかったです。
最後まで読んで、最初に戻って二人の様子を確認しちゃいました。
| なな | 2009/04/19 10:54 AM |
ななさん、こんばんは♪
そうですね真紀さん引き締めてくれました。最初に戻って私も確認しました。
やっと話がつながったって感じで・・・
作者の狙いだったのでしょう(笑)
さすがです。
| トラキチ | 2009/04/20 1:28 AM |









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