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『君が降る日』 島本理生 (幻冬舎)
評価:
島本 理生
幻冬舎
¥ 1,365
(2009-03)

<本作は“痛いけれども心地よい”島本ワールドのエッセンスが詰まった作品集である。自分の進むべき道をひたすら着実に進んでいる島本さん。結婚されて幸せそうですね。今後もずっと純真でかつ瑞々しい作品を書き続けて欲しい。>

初出papyrus。
3編の中編からなる作品集。

かつて島本さんの大ファンだった時期があった。
彼女の代表作だとされている『ナラタージュ』、当時そのセンセーショナルな三角関係の内容に大いに共感したのであるが、その後やはりプレッシャーが強かったのかあるいは、『ナラタージュ』で精根尽き果てたのか定かではないが、やや尻すぼみ的な感が否めなかった島本さん。
しかしながら本作で島本ワールドが帰ってきたと確信したいと思うのである。

本作は一番長い表題作の「君が降る日」がいちばんインパクトが弱いかなと思われる。
恋人(降一)を交通事故で喪ってずっと引きずっている主人公の志保。
車を運転していて軽傷ですんだ五十嵐と接近するのであるが、やはりいつも降一のことを忘れることが出来ない志保。
少し五十嵐の描き方が男性読者からしたら滑稽に感じないでもないのだが、切なく仕上がっていると言えばそうとも取れる一編。
主題的に書きにくいですよね。
まあ同じ悲しみを持つ2人の恋愛なんだろうけど、引きずりすぎとも取れないかな。
五十嵐も他にいい子見つけなよとアドバイスしたいです。
女性読者からしたら博多に会いに行った主人公にイライラでしょうね。
でもこのイライラ感が島本作品の真骨頂ですよね。
亡き恋人の弟祐嗣が良い味出してましたね。
続いて年下の彼氏が出てくる「冬の動物園」
これは結構軽めかな。
5年間付き合ってた彼氏に振られた主人公OLが英会話教室で高校生の森谷君と知り合い再生して行く物語。
なんといっても森谷君が初々しくかつ頼もしくて読者をもリードしてくれるのである。
恋愛が始まる前を描いた秀作と言えよう。

そして最後の「野ばら」。テーマは“すれ違い”ですね。
内容は割愛します、読んでのお楽しみということで。実はこれが一番のお気に入りですね。
島本さんの小説を読むといつも“恋愛ってドラマなんだな”と痛感するのであるが、この作品は読者の胸の中に突き刺さるような痛さがある。
読者が実生活で体験している、恋愛のもつ楽しさ、喜び、そして苦しさ、悲しみが短い作品に凝縮されているのである。

3編とも終わり方がハッピーエンドではないんだけど、そこが島本さんらしく余計に読者の想い出に残るのである。
まるで読者の恋愛を応援するが如く、切ないんだけど少し余裕を感じさせられた作品でありました。

それぞれの主人公たちに共感できたでしょうか。
やはり男性読者はアドバンテージがあるのでしょうかね。
私は私なりにおぼろげなりに共感できました(笑)

恋愛小説はひとそれぞれ、性別や環境によって捉え方が違っていいんじゃないでしょうか。
これは個人的な達観した感想であるが、島本さんが恋愛を描くとそうですね、たとえば恋愛の残酷さを描いたとしてもそれが読者の前では切なく時には清々しく感じられるのですね。
とりわけ最後の「野ばら」にはそういう部分が凝縮されてたのかなと思うのである。
代表作『ナラタージュ』で感じられた胸の締め付けられるような思いというほどでもないけれど、切なくてやり切れない部分が読者を襲い、それがとっても心地よく読者の胸のうちに吸収できるのですね。
まあ、公私ともども島本さんって幸せなんだなと認識出来そうですね。
文は人を表しますもの(笑)

もし現在恋愛中で少し悩みが伴っているあなたが読めば、恰好の処方箋となる一冊だと確信しております。

悩み抜いた恋愛は人を成長させる、あなたも悩んでください。

“痛いけれども心地よい”島本ワールドのエッセンスが詰まった作品集なのである。

オススメ(9)


posted by: トラキチ | 島本理生 | 18:44 | comments(4) | trackbacks(3) |-
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男性から見た島本さんの作品に出てくる男の子の像は、やっぱり女である私から感じるものとは違っているのでしょうか?

私は長いこと島本さんを追い続けてきたというか(そこまでいっちゃうと大袈裟ですね)、ファンなのですが、女性が書いた男性像なんだろうなあという感じを受けます。
それは私にとってはむしろ好ましくもあるのですが、実際にはこんな人いないよと思う人物像なんでしょうか?

「野ばら」
今までの作品とはまた違った味のある作品でしたね。
後半のシーンで、物語の序盤の展開のそこかしこに男の子の想いが表れていたのだということに気付いて、何度もめくったページを戻ってしまっていました。

島本さんの作品は、幸せそうにみえても突然不幸が襲ってきたりするので(笑)読んでいて最近ハラハラしますが、今作はそんなに構える程切なくて辛い展開はなかったので少しほっとしていたりします。

これからも読み続けていきたい作家さんです。
| すきま風 | 2009/05/25 9:50 PM |
すきま風さん、こんばんは♪

私が思うのにやはりプロの作家はある程度売れなければ淘汰されますので、常に読者を意識して書かれていると思われます。

豊島さんの場合、作品を書き分けて(私は白豊島、黒豊島と読んでますが)それで共感を得ていたと思います。
特に作品の刊行数が多かったので書き分ける必要があったものだと思われます。

島本さんの場合、寡作なんで読者の方もやっと出るのかという気持ちで手にとるケースが多く、同じようなパターンの作品でもそんなに飽きられることもないのでしょう。
島本作品を読んでる読者は、私のような中年男性は例外的で(笑)、大半がすきま風さんのような年代の女性だと思われます。
だから、どうしても主体が女性になってきますよね。
そこでどう書いたら印象に残るかということを常に念頭に置いて書かれてると思います。
本作の場合は3編あるのでそれぞれ個性的な男性を描くことによって読者に印象的であるように書かれていると思います。

表題作の五十嵐なんかも、とりようによっては「こんな男いないよ」と思われるかもしれませんよね。
でも滑稽に見えてもその根底には“誠実さ”があるんじゃないかなと思います。
それは“弱さ”とも取れないことはないのでしょうが、島本作品を愛する人にはとっても心地よい部分なんだと感じるのでしょうね。

客観的に見て、島本あんはその繊細さが売りであって、読者もそれを前提に身を委ねて読んでいると思います。
少なくとも私はそうですね。

最後の「野ばら」は今までにない題材だったので特に印象に残りました。
男性読者からみて弟の方(本がないので名前忘れましたが)とっても誠実だったと思います。

ちょっと読み切れてない部分もあるかもしれませんね。
また他の作家も含めて語り合いましょう。

コメントありがとうございました。
| トラキチ | 2009/05/25 10:29 PM |
こんばんは。
3作が、それぞれ個性的な男性を描いているというご意見、なるほどと思いました。あと、誠実と弱さは紙一重・・といった感じの描き方が多いですね。いつも痛すぎて読むのが辛いけど、何故か惹きつけられます。

「野ばら」の読後感が切なくて、今思い出しても泣きそうになります(笑)
| EKKO | 2009/06/10 9:12 PM |
EKKOさん、こんにちは♪
島本さんは自分の女性読者の好きになりそうな男性像って上手くとらえているような気がします(笑)

「野ばら」は傑作ですよね。
また読み返したいです。谷川さんの詩とともに。
| トラキチ | 2009/06/11 11:01 PM |









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2009/05/25 9:51 PM
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