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『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』(上・下) 白石一文 (講談社)


<山本周五郎賞受賞作品。現段階での白石さんの集大成的な作品と言って良さそうですね。白石さんの世界観は出てるのですが、ちょっといろんなことを詰め込み過ぎて主題がおぼろげになっている感は否めない。小説とエッセイをミックスしたような作品のような印象ですね。>

書き下ろし作品。
正直、凄いなと唸らされる部分と、もったいないなと思える部分とがありちょっと複雑な感じで読み終えました。

白石さんの思想がとっても表現できた作品なのであるけど、小説の中に評論が混じっていて、評論の方が主人公が語っているのか白石さんが語っているのかが読者にとってわかりづらいのですね。
もちろん、洞察力の鋭い方なので読んでいてとっても勉強になる部分は大きいのですが、どうしても小説部分に集中できなかったのですね。
敢えて2巻組にしなくても良かったんじゃないかな。
あと100ページぐらい削って一冊にまとめた方が読者も感動度が増すし、求めやすいし良かったのでしょうけど。
まあそれは出版社の意向もあるのでしょうが。

 主人公のカワバタは胃ガンに侵されている大手出版社の編集長。


さすが元出版社に勤務されてた作者だけあっていろんな問題がリアルに描かれてます。
政治家の不正を暴くことがメインなんですが、あとはグラビアアイドルと寝たり、あるいは上司の妻と不倫したりなどなど。
読後真っ先に感じたのは、エンターテイメント作品に徹したらもっと魅力のある作品だったのになという感じですね。


白石さんの哲学的・経済的な思想を詰め込み過ぎて、そこが小説のストーリーとしての本筋から離れているんですね。
風呂敷を広げ過ぎている印象は否めませんわ。
イチローなんかのスポーツ選手に対することも書いているのですが、これは主人公の考えじゃなくって白石さんの考えなんですね。
だから、小説に没頭できないのですね。
主人公やそのまわりの人の生き方と地球の貧困の原因とは別物ですよね(笑)
もっともなことは書いてあるのですがジレンマに陥りますね。
イントロダクションだったらいいのですが、途中で何回もでてくるのですわ。


あと書きとめておきたいのは、やはりとりようによっては作者の男尊女卑的な考えの部分が垣間見れたかな。
特に妻に対する描写なんかはそう感じられましたね。
男性が浮気をするのは許せて、女性は許せない的な部分ですね。
あと育児に対する感覚なんか女性が読めば特に抵抗あるかも。


小説として読めば、ラストの100ページぐらいから意外性のあるちょっとハードボイルド的な部分も含んだ展開が待っていて、かなり楽しめます。
凄く哀しい作品なんだけど、どうなんだろう正義感があんまり出てなかったような気がします。
世の中ひとりの力ではどうしようもないんだということを教えてくれたような哀しい作品に私には写りました。
私的には作者の考えが主人公に充分に乗り移っていない気がするのですね。


皮肉なもので本作が山本周五郎賞受賞作品であるので手に取った。
でも山本周五郎賞の受賞作品として読めばやはりちょっと物足りないかなと言うのが本音ですね。


ただし、白石一文フリークが読めばこんな素晴らしい作品はないんじゃないかな。
贅沢な一冊と言えるでしょうね。
小説の“新ジャンル”と言えば言い過ぎですが、フリードマンの経済論も楽しめ、チャーリー・シーンの出演料に度肝を抜かれます。


白石フリークじゃなくても一読の価値がある作品だとは思います。
あなたも是非確かめてください。


まあまあ(7)

posted by: トラキチ | 白石一文 | 20:37 | comments(0) | trackbacks(0) |-
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