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『イエメンで鮭釣りを』 ポール・トーディ著 小竹由美子訳 (白水社)
評価:
ポール トーディ
白水社
¥ 2,625
(2009-04)

アルフレッド(フレッド)・ジョーンズ博士は、研究一筋の真面目な学者。水産資源の保護を担当する政府機関、国立水産研究所(NCFE)に勤めている。ある日、イエメン人の富豪シャイフ・ムハンマドから、母国の川に鮭を導入するため力を貸してもらえまいかという依頼がNCFEに届く。フレッドは、およそ不可能とけんもほろろの返事を出すが、この計画になんと首相官邸が興味を示す。次第にプロジェクトに巻き込まれていくフレッドたちを待ち受けていたものは? 手紙、eメール、日記、新聞・雑誌、議事録、未刊行の自伝などさまざまな文書から、奇想天外な計画の顚末が徐々に明らかにされていく。(白水社HPより引用)


<この作品は後年白水社エクス・リブリスの初期の代表作として語り継がれる一冊だと思います。構成・テンポ・視点・すべてにおいて水準の高い作品。面白くてページをめくる手が止まりませんね。ひとりの男の生き方、結婚観なども否応なしに考えさせられます。何が人生において大切なのか、人間らしい生き方を模索されてる方には格好の一冊と言えるでしょうね。小竹さんの滑らかな翻訳も素晴らしく、読みやすい一冊に仕上がっている。>



アリス・マンローの翻訳で有名な小竹由美子翻訳作品。まず、作者の意図を十二分に把握された訳者によってもたらされた、究極のエンターテイメント作品に仕上がった本作を読み終えた充実感をどう語ったらいいのだろう。 本作を読んで学ぶべき点が多いことに気付かれた読者の数はきっとかなりの数であろう。凄く荒唐無稽な設定(もちろんそうですよね、中東のイエメンにて鮭釣りをさせるというプロジェクトですから)に否応なしに引き込まれていくのです。

次に学ぶべき点について私なりに語ってみますね。
まず、誰もが気付く“信じることの尊さ”ですね。これはたとえ地位や名声を失っても自分自身を見失わない主人公(と呼んでいいですよね)フレッドの生きざまですね。決して器用ではないのですが、人間誰しも持っているその人の奥底に潜む本能(本音と言ったほうがいいですかね)を読者に否応なく知らしめてくれます。それも本当に楽しく、この作者ただものではありませんわ。
 
次に、いろんな登場人物によって考えさせられるその立場によっての差異ですね。本作はタイトルからして滑稽ですよね、あたかも冗談であるかのような設定ですが、それが見事に動き出すのですね。それぞれの登場人物の悲喜こもごも、楽しめます。とりわけ本作の特徴というか看板的なスタイルであるメールのやり取りが素晴らしいです。斬新的な作者の手法に驚きつつも自然と入りこめます。
メールのやりとりはひとりひとりの個性を際立たせるのには最高の手段だったと思います。凄く楽しめて読めますよね。私は、もし自分がこの人だったらということを念頭に置いて読みました。
 
あとは男性読者からの視点で言わせていただけたら、ハリエットの魅力ですね。これは手に汗握るぐらい、応援したくなる素敵な女性ですわ。ひとつの読ませどころとして、主人公のフレッドが妻のメアリから心が離れハリエットに魅かれて行くところがあります。まあ、男性読者としては気持はよくわかります。そして一方のハリエットの悲恋。これは悲しいですね。もちろん、結婚観(夫婦)に関しても考えさせられます。現実主義者(メアリ)と理想主義者(フレッド)とのギャップとも言えるかな。

ラストも上手くまとめられています。ちょっと残念なような気もするけど、納得された方が多いんじゃないかな。主人公の精神的な変貌ぶりに満足できるからですわ。
 
普段、全然関知してなかった中東情勢についても少しだけど勉強にもなります。是非未読の方は御一読ください。そしてメアリについて聞かせて欲しいですわ。私は毛嫌いしております、だから著者にやられたと思ってますから(笑)本当に贅沢な読書が楽しめますわ。
 
最後に余談ですが、訳者の小竹さんって釣りするのかな?そう考えさせられるほど素晴らしい翻訳でした。ありがとうございます。


オススメ(9)
posted by: トラキチ | 白水社エクス・リブリス | 22:25 | comments(0) | trackbacks(0) |-
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