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『遠い山なみの光』 カズオ・イシグロ著 小野寺健訳 (ハヤカワepi文庫)
評価:
カズオ イシグロ
早川書房
---
(2001-09)

 <カズオ・イシグロのデビュー作。この頃から人間の内省的な気持ちを描写するのに長けてたのですね。>


小野寺健訳。王立文学協会賞受賞作品。
この作品が出版されたのは1982年のことでカズオ・イシグロはまだ20代ですね。
代表作とも言える『日の名残り』同様、過去の回想という形で語られる物語。

この作品は読者の想像力が掻き立てられるタイプの作品ですね。常に謎めいた気分で読書に浸ることを余儀なくされます。
それは主人公である語り手のわたしが何故イギリスにいるのか、何故前の主人と別れたのか、そして何故娘である景子が自殺に至ったのか。

そして物語は過去に景子を身籠っていた長崎で知り合った2人の母娘の話がメインとして語られます。
その母娘とは佐知子と万里子。
アメリカ人男性フランクに人生を翻弄される2人に首をかしげる当時のわたし。

誰しも今の自分に似た過去のある人の出来事を回想することってありますよね。
この作品はそれがその当時の時代にとっても合っていると思いました。そして特筆すべきはまるでカズオ・イシグロが日本語で書いたかのような思えてしまう見事な小野寺さんの訳文。
作者の言いたいことがわかってるが故でしょうね。

いろんな捉え方が出来るほどある意味深遠な作品だと思うのであるが、私は概ね次のように捉えています。

この物語の回想シーンにて出てくる万里子という少女、語り手であるわたしだけでなく読者も亡くなった景子に姿を重ねるのである。
そして語り手は回想することによって自分自身の過去を清算し、そしてもうひとりの娘であるニキの幸せをひたすら願っているのであろうと。


人間の価値観って本当に千差万別ですよね。
本作では戦後の時代、そして被爆地であり作者の生まれ故郷である長崎という土地も相まって、いかに生きるかということの難しさを再認識しました。


人と人との関係って本当に微妙です。

かつてはわからなかった佐知子の気持ち、今はわかるのですね。
そして肯定と否定、意味合いは180度違いますが実は紙一重であるということ。

そしてこの物語の醍醐味は“書かれていない部分のことを読者自身が類推すること”なのでしょう。
多少、評価が別れる作品であることは間違いないのであろうが、戦後の日本の国のこの時代を象徴している物語でもあると思える。

その際立ったシーンは作中の緒方さんと二郎が将棋をするシーンですね。


個人的には語り手であるわたし(悦子)が残された娘ニキに対しての愛情を読み終えて救い取れました。
そこが何よりの光明であったような気がします。


面白い(8)

posted by: トラキチ | ハヤカワepi文庫 | 19:13 | comments(2) | trackbacks(1) |-
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トラキチさん、こんにちは。
これが外国語で書かれたというのが
信じられないような作品でしたね。
訳文もそして作品そのものも。
イギリスの読者はどんな風に読むんでしょうね。
…日本人はどう読むんだろう?と思ってる人もきっといるんでしょうね。(笑)

私は「夜想曲集」を借りてきたところです。
無事読めるといいなー。
| 四季 | 2009/08/12 7:26 AM |
四季さん、こんばんは♪
お返事遅くなりました。
この作品訳者いいですよね、今までの3作品土屋さんばかりだったので少し心配だったのですが結果オーライでした。

逆にどうなんだろう、イギリスの読者にしてみれば日本人の我々が感じ取れる語尾の違いなんか英語では少しわかりづらいかもしれませんね。
訳者が作者の意図をよくわかった上で巧く訳していると思いました。

「夜想曲集」私も感想綴らなくっちゃと思っております。
| トラキチ | 2009/08/13 8:11 PM |









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2009/08/12 7:17 AM
 [amazon] 先日「日の名残り」(感想)がものすごーく良かったカズオ・イシグロさんの作品。今回は英国だけでなく、日本も舞台になってるんですね。現在英国の田...
Ciel Bleu