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『きのうの神さま』 西川美和 (ポプラ社)
評価:
西川 美和
ポプラ社
¥ 1,470
(2009-04)

 <全5編からなる僻地医療を中心の題材とした短編集。映画監督と言うことで、作者には失礼ですが“直木賞候補”は話題作りの一環かと思ってました。ところが読んでみて驚きました。作品全体として命の尊さを訴えており、私たち読者の襟を正すことのできる作品ですね。「きのうの神さま」と言うタイトル名も素晴らしいですね。いろんな人生、いろんな生活があることを結構リアルにかつ的確に描いています。>

映画『ゆれる』の監督で著名な西川美和さんが書かれた映画『ディア・ドクター』の外伝を含む5編からなる短編集。


まず直木賞候補に上がったということで手に取った作品であることは否定しないのであるが、予想以上に素晴らしい作品であったことに驚きそして作者に敬意を表したいと思う。
これは恐るべき才能ですね。
5編からなる短編集であるが、おもに僻地医療を題材としています。
まず5編とも甲乙つけがたいほど素晴らしい出来であり読者である私たちを叱咤激励してくれる作品集だと言えます。

 全編を通して言えることはそうですね、ある人にとっては非日常のことがある人にとっては日常である。
まあ当たり前のことですが(笑)、読んでみてそれぞれの主人公の気持ちに没入することが出来ます。


やはり女性の登場人物を上手く描いていると唸らされました。
まず冒頭の「1983年のほたる」の市内の中学受験を目指し塾通いをする小学校の少女に度肝を抜かれます。
風変りなバスの運転手と事故に巻き込まれます。小学生の彼女の世界と現実の世界のギャップが非常に面白くかつシビアに描かれてハッとさせられますね。
この作品だけ僻地だけど医療に関係ないですね。


あとの4編は医療関係にたずさわる様々な人々を描いてます。
「ノミの愛情」での女性主人公で元看護師の妻も印象的である。
表向きと実態の違う医師の夫をコミカルにかつ毒を持って描いている本編、女性の大変さを男性読者の私がかなり理解できたのは作者の筆力の高さ所以でしょう。


そして個人的に胸を打ったのはラストの「満月の代弁者」の孫娘ですね。
自分の人生を捨ててまでアルツハイマー病の祖母の介護に人生を賭けます。
その背景として自分の両親を満足の行くように看取れなかったということがあります。
何といっても祖母と孫娘との親子を超えるような愛情ですね。
特筆すべき点はこの孫娘が主人公で無い点ですね。
ちょうど僻地での勤務を終えた医師である主人公が新しい医師と引き継ぎでアルツハイマー病の祖母の家を訪れます。
ラストはドラマティックに終わります。
これはまるで読者の明日に貴重なエネルギーを与えてくれているような結末でした。


いろんな人生があります、私たちが日常的に抱いている不安を払拭してくれる効果がある本作、作者の取材力の高さと非凡なる感性を確認しつつも“人と人との絆”そして“人生にとって大事なもの”を考えさせてくれる傑作作品集と言えるでしょう。


それぞれの物語に登場する人々の息づかい、あなたも是非しっかりと聴いてください。


オススメ(9)

posted by: トラキチ | 現代小説(国内) | 20:02 | comments(2) | trackbacks(0) |-
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この作品は僕も直木賞候補にならなかったら読まなかっただろうと思うんですが予想を遥かに越えた素晴らしい作品集だったと思います。
マルチって言葉は好きじゃないんですがマルチな才能を感じずにはおれませんでした。
| banchi | 2009/09/05 10:09 AM |
banchiさん、こんばんは♪
西川さんの才能って凄いですよね。
まるでイチローが野球だけでなくサッカーの日本代表に出てるような才能ですかね。

直木賞の趣旨からしたら北村さんなのでしょうが、作品自体はこちらでも良かったのかなという気がしました。
恐るべしです。
| トラキチ | 2009/09/05 7:17 PM |









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