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『ガラスの街』 ポール・オースター著 柴田元幸訳 (新潮社)
評価:
ポール・オースター
新潮社
¥ 1,785
(2009-10-31)

<ニューヨーク三部作の第1作目の作品。今回柴田さんの訳本が発売され3冊とも柴田訳で読めることになった。本作は孤独な主人公の人間としての根源にあるものを謳う作品なのでしょうが、作品の良し悪しよりも柴田さんの素晴らしい訳文に浸るべき作品と言えるかもしれませんね。>

ポール・オースターのデビュー作が念願の柴田元幸訳で読めるようになりました。
現在、翻訳家としては人気実力ともに第一人者と言える柴田さん。
その中でもポール・オースターはミルハウザーとともに柴田さんが訳されている代表的な作家です。
言わずと知れたことでしょうが(笑)
私に限ったことですが、“ポール・オースターだから読むと言うより柴田元幸訳だから読む”と言ったほうが適切ですね。
それほど安心して訳文に向き合える訳者と言えそうです。

そもそものはじまりは間違い電話だった。真夜中に電話のベルが三度鳴り、電話線の向こう側の声が、彼ではない誰かを求めてきたのだ。ずっとあとになって、自分の身に起きたさまざまなことを考えられるようになったとき、彼は結局、偶然以外何ひとつリアルなものはないのだ、と結論を下すことになる。(本文冒頭より引用)


印象的な冒頭分ですが、読み終えて理不尽なことは理不尽なことから始まると言ったらよいのでしょうかね。

本作の原題は「CITY OF GLASS」。
ちょっと内容的には深く読みとろうとすれば複雑ですね。曖昧さゆえの複雑と言うべきなのでしょうか。

邦題の「ガラスの街」の“ガラス”という言葉がこの物語の曖昧模糊的な要素と喪失そして孤独感の漂う雰囲気を上手く表しています。
主人公と言うべき作家のクインはある電話から人生が変わります。
その電話とはクインをポール・オースターという私立探偵と間違えてかかってきた仕事の依頼の電話なのですね。

はじめは無視してたのですが、一転して依頼主に会いに行く所から物語そしてクインの人生が動き出します。

内容的には探偵小説なのですが探偵小説としての醍醐味はありません。
なぜなら明確な結末もないからです。というか読者に最後は身を委ねられていると言えばいいのでしょうか。

読み進めるうちに、ワクワク感と言うよりも不安な気持ちに陥ります、まるで迷路に入ったような感じかな。
その不安な気持ちを柴田さんのしっかりとした訳文がなんとか支えてくれているような気がしました。

印象的だった点を二つほど書き留めますね。

まず最初にクインがヴァージニア・スティルマンに誘惑されるところ。
この物語の中で息抜きともなりアクセントをつけてくれます。

次は「ドン・キホーテ」に関する作者の考察が随所に見られるところですね。
これは“敢えて作者と同名のポール・オースターという作家を作中に登場させての場面”なのでかなりキーポイントとなります。

世界的作家となった現在のポール・オースター、今は考えられないことですが、この作品を上梓するにあたって17の出版社から断られたそうです。
作者の苦悩の表れと主人公がオーバーラップされた方が多かったんじゃないでしょうか。

でもやはり他のオースター作品も読んでから、そしてもう一度読んでみると感慨深いものになるような気がします。
結構“曖昧に書かれているように見えて実は洒脱な作品”なのかもしれません。

読書って人生と同じで奥が深いですからね。

まあまあ(7)
posted by: トラキチ | 柴田元幸翻訳本 | 13:38 | comments(0) | trackbacks(0) |-
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