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『初夜』 イアン・マキューアン著 村松潔訳 (新潮クレスト・ブックス)
<時代を超えてそして国境を越えて、マキューアンは人を純粋無垢な気持ちで愛することの素晴らしさを本書を通して教えてくれる。たとえどんな不可解なことが起こっても、決してひるんではいけないのですね。読者は人生において一所懸命生きることの大切さを再認識するのである。>

原題 “On Chesil Beach”,村松潔訳。

私自身マキューアンの作品は『土曜日』、そして代表作だと目される『贖罪』に次、本作で3作目となる。
いずれもが素晴らしい作品であることに違いないのであるが、本作は今までの作品にない繊細な物語。
それは日本語タイトルからしてもおわかりであろうが、少なくとも性の解放がなされてなかった時代においては、人生の最大のイベントと言って過言でない日の出来事を赤裸々に語っています。

時代は1962年のイギリス。
愛し合っているふたり・・・エドワードとフローレンスはつつがなく結婚式を終えます。
結婚式のあとのビーチにあるホテルでの出来事なのですが、今までベッドをともにしたことがなかったのですね。
だからその緊張感が読者にも伝わってきます、否応なしに・・・
たとえば並みの作家が描けば滑稽な出来事として映るのかもしれませんが作者の力量、そして村松さんの訳文、ともに冴えわたっています。
作者はきっと愛に対して凄く繊細な方なのでしょう。それでなければこう言うシチュエーションの作品は作れませんわ。
冷徹というか冷酷というか、それとも残酷と言うのでしょうか。
どの言葉も当てはまるので敢えて書かせていただきますが、読者に対して真正面から2人の愛を突き付けてきます。

私は読んでいてお互いがお互いを思いやる気持ちが十分に伝わってきました。
それは作者のたとえば2人の生い立ちの違いや、あるいは知り合ったいきさつなどを通じて余計にわかりえたことではあるのですが。
女性側(フローレンス)の立場(というか階級)の方が高い点が重要な要素になっているのですね。
本当に心憎いですわ。

そして肝心なところは読者に委ねられているのですね、だからお互いが年月を経て幸せになっていく姿を目に浮かべながら本を閉じることが出来ます。

この物語のキーポイントは、男性読者の立場で言わせてもらえたらいかにフローレンスの気持ちがわかるか否かだと思います。
たとえば本作の時代設定が現代の話であれば無理が生じるかもしれません、でも時代はビートルズが世界を席巻する少し前のイギリスです。

第二次世界大戦が終わって17年しか経っていないのですからね。
いろんなことを斟酌して考えると、エドワードとフローレンスは素晴らしい“初夜”を迎えることが出来たのですね。

舞台は整っています。
結果として“初夜”の時点で2人は本当に熱烈に愛し合っていたのですね。
そして不可解で皮肉な出来事だったけど、ある意味必然的なことでもあったのですね。
なぜなら読者は後戻りできない人生を懸命に生きているその後の2人にエールを贈ることが出来たのです。
切ない気持を維持しながら・・・
そう読みとることがこの物語を満喫できた証拠なのかなと思ったりしました。

ここでは細かい内容は書かない方がいいでしょう。読んでのお楽しみですわ。
薄い本なのであなたも躊躇なく手に取って欲しい一冊であります。

オススメ(9)
posted by: トラキチ | 新潮クレスト・ブックス(感想) | 19:16 | comments(0) | trackbacks(1) |-
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