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『ボート』 ナム・リー著 小川高義訳 (新潮クレスト・ブックス)
<新潮クレスト・ブックスお得意の移民系作家のデビュー短編集。ただしとっても評価の分かれる作品集だと思いますので覚悟してお読みください(笑)>

新潮クレスト・ブックスは過去にジュンパ・ラヒリを筆頭にしてたくさんの新人作家を発掘し紹介して来ました。
その多くが短編集であることはご存じの方が多いことでしょうね。

作者のナム・リーはベトナムで生まれるものの生後3ヶ月めに両親とともにボートピープルとして国外へ脱出、マレーシアの難民キャンプを経由してオーストラリア・メルボルンで育ったのち、アイオワ大学に学んで作家の道を歩みはじめました。本作がデビュー作品集となります。

この作品の評価って正直本当に難しいですね。
ラヒリの訳者で有名な小川高義さんが訳しているのですが、たとえばラヒリの訳文のような静謐さも感じないし、そして文章の流暢さも感じないのですね。

共通点はやはり移民系作家ということなのでしょうが、やはり両者のあいだには“愛国心”ということでは大きな開きがあると思われます。
いわば、本作の作者は“母国を捨てた人”なのですね。
移民系作家の本質的な特徴としては、母国語ではないが故に書きたいことを書けるという部分は大きく、読者の共感を呼ぶのでしょうね。

ここで敢えて“共感”と“共鳴”という言葉を使い分けたいのですが、私なりには次のように解釈しています。
ラヒリの『停電の夜に』には“共感”を、そして本作には“共鳴”を覚えることが出来るのですね。
これは言葉では説明しにくくフィーリングで感じ取るものだと思うのですが、なんとなくふたつの言葉の違いが微妙にふたりの作家の特徴を表しているような気がします。

本作品集は全7編からなります。最初と最後の2編が作者の生い立ちやその生き様を表した話です。
冒頭の「愛と名誉と憐れみと誇りと同情と犠牲」では小説家としてアメリカ・アイオワに住む作家志望の主人公のところにオーストラリアに住む父親が突然訪れてきます。
ここでの父親とのすれ違いが作者の境遇を示唆します。戦争を知っている父親と知らない主人公との軋轢ですね。
特に最後の表題作「ボート」はベトナムからボートに乗ってひとり逃亡する少女の話が描かれ、涙なしには読めないような感動ものですね。

2編目から6編目は世界各地を転々として描く無国籍作品ですね。
コロンビア、ニューヨーク、オーストラリア、ヒロシマ、そしてテヘラン。
ここでも作者の多彩な筆力を味わうことが出来ます、それなにりですが・・・

どの編もギリギリの状況に置かれた人々を描いています。
一貫した特徴としたら“矛盾した世界への反発心”ということになるのでしょうか。
ただ、それぞれの話はそれなりに読ませてくれるのですが、作品集として考えてみると、私が思うに風呂敷を広げ過ぎている感がするのですね。
スケールが大きいと言えばそうなのですが、統一性に欠けているようにも思えるのです。
逆を言えば前述した最初と最後の編のインパクトが強すぎて、それに比べるととどうしても思っちゃうのですね。

個人的にはその小説の評価を決める大きな目安として、次にその作者の新作が出た時に読みたいと思うかどうかということが大きなポイントとなるわけですが、そういった意味合いにおいてはラヒリと比べてあんまり湧かないのですね。

この作品集が果たしてエスニック小説であるか否かはここで論じるつもりはありません。
ただ広義のエスニック小説として考えてみると、根本的には大きなトレンドであるエスニック小説って理解しづらいのかなと、自分自身の読解力の自信が揺るがざるを得ない一冊だったような気がします。

まあまあ(7)


posted by: トラキチ | 新潮クレスト・ブックス(感想) | 22:35 | comments(2) | trackbacks(0) |-
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私この本は挫折しています。
図書館で借りて読み始めましたが、他に借りている本もあって最初の方で止めてしまいました。
ここを読んでなんだか気持ちがすっきりしました。
| 小音 | 2010/03/31 9:10 AM |
小音さん、こんばんは♪
この作品、たまに絶賛されている方がいますが、やはりそちらの方が少数派なような気がします。

クレスト・ブックスの他の短編集、素晴らしすぎるのが多いのでちょっと役者不足かなと思ったりしておりますが・・・

個人的には自信を持ってオススメできる作品とは言い難いですね(笑)
| トラキチ | 2010/03/31 7:02 PM |









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