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『よろこびの歌』 宮下奈都 (実業之日本社)
評価:
宮下 奈都
実業之日本社
¥ 1,365
(2009-10-17)

<女子高生達のひたむきな物語。それぞれの視点でそれぞれの物語が語られますが、自分がどの子に似ているかを想像しながら読める女性読者に嫉妬の気持ちを持って読む進めた男性読者です(笑)
若いって本当に希望があっていいですね。いつまでも前向きな気持ちを忘れずに本を閉じれた。作者に感謝ですね。>


世界は六十八億の人数分あって、それと同時に、ひとつしかない。いくら現実逃避したところで、ここで私は生きていくのだ。こんな小さな街にも、クラスメイトたちが住み、先生が住み、そして学校とは関係のない人がそれよりもたくさん住んでいる。ピアノがほしくても与えられなかった子も、ヴァイオリニストを母に持つ傲慢な娘も、ここで生きている。ここで私は生きていくのだ。専門的な勉強をしていなければ通じないのなら、誰のための音楽だろう。
(本文より引用)

初出“月刊ジェイ・ノベル”を加筆・修正。

お気に入りの宮下さんの昨秋発売された作品。
まだ単行本4冊しか上梓していない宮下さんですが、個人的には本作が一番心に響き、そして心に残る一冊となりました。
構成・内容ともに素晴らしいですね。

この人の作品の特徴は、温かい眼差しで読者の背中を押してくれるところだと信じて疑わないのですが、本作では作者の特徴が一番発揮出来ているように思えるのですね。
本作は平凡な女子高(私立明泉高等学校)の2年生のクラスメイトたちが描かれています。
全7編からなる連作短編集で最初と最後が御木本玲という、親が著名なヴァイオリニストで、娘である玲が音大の付属高校を不合格になって明泉高校に入学するところから始まります。
夢が途絶えられて、落ち込み気味で入学してきた玲ですが合唱というチームでなし得る行事によって心を開いていくのですね。

とりわけ、高校生ぐらいの多感な年代の頃って隣の芝生は青く見えがちですよね。
本作が成功している大きな要因は、各編ごとに視点が変わっているところですね。

上述した“隣の芝生は青く見える”ところが読者である私たちに本当によく理解できます。
これはあたかも、私たちがそれぞれの編の主人公に乗り移ったかのように感じられるのですね。
それぞれの個性的な人たちが持っている、それぞれの悩みがリアルで思わず誰もが持っている“心の中の膿”を出したい衝動が本当によくわかるのですね。

この作品を読んでいて、誰もが似たようなことで悩んでいるということを理解しつつ、そしてあの人にもこんな悩みがあったのだと思わず納得し、そして時にはニンマリさせられてしまいますよね。
それぞれの悩みは、希望がありそして夢へと繋がる悩みなのですね。
悩みことによって心の成長を得ることができますよね。
“人生失敗を恐れてちゃ何も出来ない。”
作者の一番訴えたいところはこの点だと私は思います。

そして、一見したところ、本作の主人公は御木本玲ひとり、あるいは玲を含む6人のいずれかと思うのかもしれないが、私の観点は違っています。

そうなんです、主人公は性別・年齢を超えた読者である私たちなのですね。
本文では7人目の傍観者(笑)として参加している形ですが、読み終えたあと登場人物から主人公をバトンタッチされたような錯覚に陥るのですね。
これは本当に宮下マジックで、他の作家の作品ではそう簡単には味わえません。

最後に全7編、本当に調和良く作られています。
自分の学生時代に本作のような作品に出会えてたらとつくづく思います。
あなたも是非手にとって口ずさむような感覚で読んでほしいですね。
高校2年の3月で本作は幕を閉じます。
あと1年の高校生活を有意義に過ごせることを希望しつつ本を閉じる。
惜しみつつもそして気づくのである、自分自身の前向きな気持ちに。

そう、自分を変えなくちゃ、相手も変わらないのですね。
大切なことを学びとれ、いつまでも心に残る一冊です。

超オススメ(10)




posted by: トラキチ | 宮下奈都 | 13:32 | comments(0) | trackbacks(0) |-
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