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『うつくしい人』 西加奈子 (幻冬舎文庫)
<他の西作品からは想像のつかないと言っていいほどの新境地作品でしょうか。本作は本好きの女性読者が読まれたら必ず共感できるような内容の自己再生作品で、読み終えたあとの清々しさとタイトルの素晴らしさは記憶に残る読書となったと言えるでしょう>

久しぶりに西さんの作品を手に取った。
この人の作品の特徴は飾らない文章で飾らない人を描写し、読者に共感を呼ぶ点だと思うのですが、
いつも読後に自分自身と向き合わせてくれるところは凄い手腕だなと思います。

本作は関西弁じゃなくって標準語バージョンですね(笑)

さて本作、ひとことで言えば“自己再生の物語”と言えるのでしょう。
主人公は32歳の独身女性・百合。単純なミスがきっかけで会社を辞めて一人旅にでます。
その舞台は瀬戸内海の高級リゾートホテル。
数日間の滞在ですが主人公はバーテンダーの坂崎とドイツ人マティアスと出会い大切なものをつかみとるのですね。
彼ら2人は風変わりな人物ですが、風変わりゆえに主人公にとって“癒しの存在”となるのです。
主人公の百合は第三者の目を気にします。まあ誰しもそのようなところはありますよね。
そして主人公には、彼女の人生を変えた“姉”という存在がずっとつきまとっているのですね。
その姉の今まではどちらかというと鬱陶しい存在が、タイトルでも表している“うつくしい人”すなわち“なくてはならない存在”へと変わっていくのですね。

個人的に少し姉の過去のエピソードは過大だったような気もしますが、うつくしい人だと気付かせてくれる役割を演じてくれる2人(坂崎とマティアス)も読者にとってはうつくしい人なのです。
西さんの素晴らしいところは、単なる再生物語だけでなく、読者がいつまでもこの物語の存在を忘れることなく心の片隅にしまっておけるように導いてくれます。
ちょうど本作が作中のブローディガンの「愛のゆくえ」のような存在になりえるのでしょう。

作者にとって文庫本のあとがきや女優のともさかりえとの対談を読む限り、少し鬱屈した時期であったみたいです。
いわば、作者の思いというか精神状態が作品にかなりの部分投影された作品といって過言ではないのでしょう。

概して繊細な女性読者は読んでいて少し苦しいかもしれません。
でもそこは作者の術中に嵌っているわけで、きっと読み終わったら清々しい気分に浸れるでしょう。
ぜひあなたも坂崎とマティウスに会ってやってください(笑)
枚数は比較的短い長編ですが、内容はギッシリと詰まっていると確信しています。

面白い(8)
posted by: トラキチ | 西加奈子 | 21:52 | comments(0) | trackbacks(0) |-
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