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『こちらあみ子』 今村夏子 (筑摩書房)
評価:
今村 夏子
筑摩書房
¥ 1,470
(2011-01-10)

<読者の感性を問われる衝撃的な作品。>

太宰&三島賞W受賞作品。太宰治さんも三島さんも天国で拍手しているのではないでしょうか。それほど心に痛い物語です。あみ子は一生懸命に周りに合わそうとするのですが、どうしても馴染めずに崩壊への道へと進んでしまうのですが、残酷とも言える内容とは言えどそれを中和させる作者の柔らかい文章のおかげで、読者は痛々しくもあみ子を受け入れてしまい、自然と応援してしまうのですね。あと実母でない母親の存在感も大きいです。 あみ子の三本の歯の代償は大きかったか感じるところの大きな作品で、読者の感性を問われる一作だとも言えます。

表題作の「こちらあみ子」、簡単に言えば、あみ子は現在は祖母と一緒に暮らしているのですが、十五歳で引っ越しをするまでのなぜそうなったかが語られています。
タイトルはお読みになった方なら誰でもわかる、トランシーバーでの応答言葉ですね。
結果として話が出来なかったのですが、それだけに余計に胸が締め付けられます。
そしてただ単にあみ子だけではなくって、母親に対しても同じぐらいの共感というか同情ですかね、そう言った気持ちにさせられます。
これはそうですね、言葉でここで表現しつくせないレベルまで来ていますね。
というのは、読者側と言ったらいいのでしょうか、より母親に近いのですね。とりわけ女性読者で30歳以上の方でしたら本当にまるで自分に起こったことの感じ取ることが出来るのだと思われます。
私たち読者はあみ子の純真さを見習わなければならないでしょう。
なぜならこの作品を読んである一定の理解を得ることができる読者の大半が、“先天的なものに対する許容”が出来るからです。
一見、周りがあみ子に翻弄されているように見えますが、私的には本当に翻弄されているのはあみ子であると捉えています。
ラストの同級生のように、読者である私たちこそあみ子に対して暖かい手を差しのべたいですし、そう読みとる作品だと思っております。

そして書き下ろしの「ピクニック」、これもなかなかの力作です。
これは表題作とは違って、七瀬という30代の大人の女性が主人公です。
この作品は逆にちょっと読みとりにくいというか、より奥が深いのですが、主人公が自我に目覚めているために周り(ルミたち)も悪意に満ちた部分がありますよね。
ただ、悪意と善意は紙一重であって、このことは私たちの実社会と共通しているのだと思います。

最後に今村さんの素晴らしいところは、太宰治や三島由紀夫がそうであったように、その作風も含めて他の作家が表現できないレベルの作品を書けるということだと思います。
それほど才能に溢れた方だと言っても過言ではないような気がします。
今後のより一層の活躍を見守って行きたいなと思っております。

オススメ(9)
posted by: トラキチ | 現代小説(国内) | 03:46 | comments(0) | trackbacks(0) |-
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