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『笑い三年、泣き三月。』 木内昇 (文芸春秋)
評価:
木内 昇
文藝春秋
¥ 1,680
(2011-09-16)

初出 別冊文芸春秋。

直木賞受賞第1作。
昭和21年、ちょうど日本が戦後復興に入るところから物語が始まります。
主な登場人物は下記の4人。
旅回りの万歳芸人の岡部善造、活字中毒の戦災孤児の田川武雄、ひねくれ者の復員兵の鹿内光秀、そして紅一点ダンサーのふうこ。
舞台は東京・浅草のストリップ小屋、ぼろアパートでの4人の共同生活が途中から始まります。
作者はその時代を“卵かけご飯”がとっても贅沢だった時代だと表現しています。 はじめはちょっととっつきにくい登場人物にページが進みにくいのですが心配無用で、やがてそれぞれの個性的な人物たちの魅力にとりつかれます。
それぞれが夢を持って生きていることが共感の一番大きな要因だと思います。
読み始めに主人公だと思ってた善造が実はそうとも言えず、もっともまっとうな人物であることに気付かせてくれます。 個人的には光秀の勘違いの恋が滑稽でしたし、戦争孤児の武雄の意識の変化がもっとも感動的でした。

あとはふうこさんですね。女性としてはどうかわかりませんが、人間としては魅力的だと言っておきます(笑)
主要登場人物それぞれ少なくとも私の希望通りに物語を集結させてくれるあたり作者の筆力の高さが窺い知れるものだと言えそうです。
作者はいろんな価値観の人生があって、それぞれを肯定かつ応援しています。それは現代に生きる私たちにも通じていてまるで読者の背中を押してくれているように感じられますね。
もちろん、現代に生きる私たちも悩みは多いのですが本作に登場する人々ほど大きなものを背負っていません。

それはやはり国家自体が背負った戦争というものの代償の大きさだと思います。
いわば、私たちの悩みは“こうして日本が成長し豊かになったがゆえに生じた悩み”なのでしょう。
だから前述した“卵かけご飯”を食べる当時の贅沢なシーンが凄く生々しく感じられます。
それは私たちが贅沢になりすぎて忘れてしまったものが大きいということだと思います。
それを作者は個性豊かで夢があって逞しい登場人物を交えて読者に知らしめてくれたのだと思います。

「漂砂のうたう」同様、見事な時代考証は参考文献の多さからも窺い知れますが本作の方が救いが多く万人受けする内容だと思います。

最後に私たちが本作のような作品を読めることは日本が見事に復興したことの証しだと思います。
小さなことにくよくよしてはいけない。
必ずそう思わせてくれるそれほど本作は読者に元気をくれる一冊です。

評価9点。
posted by: トラキチ | 時代小説 | 19:54 | comments(0) | trackbacks(0) |-
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