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『アンダスタンド・メイビー』(上・下) 島本理生 (中央公論新社)
デビュー10周年記念書き下ろし作品。

島本さんのヒロインは男性読者として、いつもその恋を応援したい気持ちを持ちながら読んでしまうのだけど、本作の主人公黒江はついていけない部分が多く、その家庭環境を斟酌しても同情の余地が少ない。 物語が進むにつれて選ぶ男が悪くなっていく感が強く、第2章ではかなり転落してしまいます。下巻は師匠によって救いがもたらされるのでしょうか、それとも彌生君との復活があるのかな。手紙に入っていた過去の写真の真相も気にはなりますよね。 とにかく胸が締め付けられる展開を希望(笑)。ただし島本作品の文章の美しさは折り紙つき。

下巻に入って、過去のいろんなことが露わになり、上巻で感じた黒江に対しての少なからずの不快感は緩和されたけど払拭までには至らなかった。
ただ読者によっては払拭されたことであろうとも思われる。それは読者の性別・年齢・環境、もっと言えば考えや読解力によって違うと思います。
作者の読者層が広がっているのも事実かなと思います。たとえば今までの作品になかった子供の育て方に関して考えることを余儀なくされた作品でもありますし、幼児虐待・カルト宗教問題にも触れていますよね。
触れているというか主題にもなっているような気がします。

男性の登場人物は本当に多彩ですよね。
彌生君のような“神様”のような人は別として(笑)、でも私は浦賀仁師匠も神様のような人だと思います。
そして前半の写真部の光太郎も好人物です、あとは羽場先輩に賢治君。この2人の区別は本当に読んでのお楽しみかな。
どうしてもふらふらしているというか、男に頼り過ぎなんだという気がするのですよね。

結果としてハッピーエンドに近い形(?)で終わりましたが、決して黒江の経験したことを自分の子供に体験させたくないですよね。
少なくとも同情はしますが、共感出来たかと言えばやはり疑問ですかね。

それを少し説明するとこうなります。
この物語の大きな主題は“家族の絆”だと思います。
家庭環境によって黒江という人物が形成されたと解釈すればそれまででしょうが、そうなれば恋愛観っていうのが異なって当然のような気がします。
作者はそれ(家庭環境の悪さ)によって上巻の転落ぶりを説明したかったのだと思いますが、少しいろんなことを詰め込み過ぎて男性読者としての意見を言わせてもらえれば、彌生君は黒江にはもったいないというような気が強くしたんです。
だからエンディングは最高だったと個人的には思います。

作者の代表作だと思われる『ナラタージュ』をリアルタイムで読んだファンとしては、本作の1200枚という今までにない長い作品(そして書き下ろし)のため、若干風呂敷を広げ過ぎたような気もします。作者にとって、他作にない問題提起をした作品だとは言えると思います。
個人的には決して満足できる作品とは思えませんが、作者の成長が窺えた作品であると言うことは間違いないですね。
少し辛口となりましたが作者の素晴らしい作中の言葉を綴ります、女性の感受性の豊かさには心が揺さぶられます。
この文章を読めただけでもやはり幸せな読書タイムだったなと思わざるをえませんし、やはり作者には“恋愛小説の神様”を目指して欲しいなと思います。
敢えて“神様”という言葉を使わせていただきました。読まれた方には賛同していただけると確信しています(笑)

“女の人というのは、たぶん僕らが思ってるよりもずっと多くのものから傷つけられて、生きている。”
(本文より)

評価7点。
posted by: トラキチ | 島本理生 | 19:49 | comments(0) | trackbacks(0) |-
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