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『オラクル・ナイト』 ポール・オースター著 柴田元幸訳 (新潮社)
評価:
ポール オースター
新潮社
¥ 1,890
(2010-09)

原題"ORACLE NIGHT"(2003) 柴田元幸訳。

『ブルックリン・フォリーズ』のように楽しくは読めないけど物語の緻密さはこちらに軍配があがります。
読者の背中を押してくれると言うより、人生の奥の深さを教えてくれる一冊だと言えそう。
作者得意の物語内物語が展開され、それぞれの人物に作者の人生観が反映されているのでしょう、登場人物をメモしながら読みました(笑)

これも捉えようによっては100ページぐらいは物語内物語、すなわち閉じ込められたボウエンの話が多少は気になったのですが、物語は現実というか実在している人物を中心に語られます。
そこに少し不満を感じる人もいらっしゃるかなとは思いますが、私的にはこれでよかったと思います。
ニック・ボウエンの物語はシドニーに現実をわかりしめさせるためのメソッドに過ぎないのだと私は解釈しています。
エンターテイメント的にはもっと話の展開があれば面白かったのですが、そこを広げると悲しい物語が終結しなかったような気がします。
この物語は“こじんまりした”ところが特長なのですから。

それにしてもラストの物悲しさは特筆ものですよね。
オースターの小説は基本的に“大団円”というより“予定調和”の物語だと思います。
シドニー、グレースとジョンの3人の気持ちに立って読み進めなければ悲しみは一層広がるような気がします。
それぞれの人間が持っている秘密がそれぞれの人生に大きく自制心を持ちつつもドラマティックに影響を及ぼしています。

作品全体を通して考えれば主人公であるシドニーを中心として読み進めるとやはり彼の再生の物語だったのだと納得のいく読書に帰結して本を閉じれるのでしょう。
物語の多彩で複雑な展開のために私たち読者は、シドニーが生死をさまよったのち病院から退院して物語が始まったことを忘れてはなりません。彼はまだ34歳なのです、作品内では少し老成しすぎですよね(笑)

『ブルックリン・フォリーズ』が私たちが住む世界を考えさせてくれる物語だとすれば、本作はまさに人生について考えさせる物語だと言えそうです。

全体をとりまく物悲しさをもって読者にカタルシスを味わせるのがオースターの最大の魅力だと信じてやみません。オースター恐るべし。
そしてすごく翻訳しづらいと思われる本作、長い注釈というか補足説明のオンパレードです、いつも以上に柴田さんの名訳を味わいながら読ませていただきました、訳者にも感謝ですね。

評価9点。
posted by: トラキチ | 柴田元幸翻訳本 | 10:21 | comments(0) | trackbacks(0) |-
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