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『マーティン・ドレスラーの夢』 スティーヴン・ミルハウザー著 (白水uブックス)
原題"MARTIN DRESSLLER The Tale of an American Dreamer"(1996)

柴田元幸訳。ミルハウザーの作品は3作品目になりますが長編は初めてで、ピュリツアー賞を受賞作品と言えども少し評価が微妙というのが率直な感想。

19世紀末に葉巻き店主の息子として生まれ、20世紀初頭のニューヨークにて驚異的なホテルを次々と建てアメリカンドリームを成し遂げたマーティン・ドレスラーのお話なのだが、伝記風に淡々と語っているので心情が薄くて感情移入しにくかった感じですね。もちろんミルハウザー特有の精緻で緻密な面(とりわけホテルに関する具体的な描写)も織り込まれているのですが。

登場する女性たち(とりわけ3人の親子)影響と言うか翻弄されている主人公の苦悩と、仕事面におけるサクセス・ストーリーとがあんまり上手くマッチングしてるように感じられなかった。もちろん作者はそこにカタルシスを感じさせようとしたのであろうが・・・
主人公の成長と言うか成功に関して必ず良い意味での影響を及ぼしたであろう女性たちなのですが、存在が希薄で物足りなく感じるのです。
妻としての姉キャメロン、パートナーとしての妹エメリン。少しマーティン自身、女性を軽く扱い過ぎたのでしょうか、配慮が足りないと言うかちょっとわかりづらいですね。
主人公が誰かを一途に愛した方がインパクトが強かったような気がします。それと上り詰めるに連れ、パートナーとなるべき人が離れて行ったことも残念でした。
まあ現実はこんなのでしょうが。

夢を叶えた物語なのであろうが、日本人的な感覚で読むとマーティンの成功よりも人生の儚さを感じたところの方が大きい。失敗を恐れてはならないというよりも、有頂天になってはいけないということを教えてくれた物語であったような気がする。
個人的には主人公は経営者としてよりも職人としての道を進む資質に長けていたような気がします。

少し余談ですが、最後のあたりは丹念な描写シーンが多く訳者の柴田さんの淀みない翻訳の独壇場であったような気がする。作者もこういうふうに訳して貰えたら嬉しいだろうなと感じた。
ただ少なくともやはり読者を選ぶ作品なのかもしれませんね、ミルハウザー自体少しそういう傾向があると思いましたが本作は特に感じました。
ピュリツアー賞受賞作品ですが短編集『イン・ザ・ペニー・アーケード』よりは完成度は落ちるような気がします。
デビュー長編で評判の良い『エドウィン・マルハウス』が未読なのでこちらでリベンジしたいなと期待しています。

評価6点。
posted by: トラキチ | 柴田元幸翻訳本 | 15:55 | comments(0) | trackbacks(0) |-
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