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 『浮世の画家』 カズオ・イシグロ (ハヤカワepi文庫)
原題 "AN ARTIST OF THE FLOATING WORLD"(1986)

飛田茂雄訳。イシグロの2作目にあたる作品でウィットブレッド賞受賞作。

戦後まもない日本が舞台の作品で、戦争を挟んで時代の流れとともに価値観が変わっていく世の中を主人公である元画家の小野が現実とを重ね合わしながら過去を回想する物語。
主人公に対しては家族に対する思いやりという点においては読みとることが出来たのが救いであるが、『日の名残り』の主人公のような人間としての矜持は感じなかったがそれは舞台が日本であるからかもしれないし、確固たる意志のある言葉で綴ってなく曖昧さが漂っているのも要因だろうがそれは作者の意図したものであろうが。
どちらかと言えば、周りの人々の言動により主人公の人となりが多少なりともくっきりと浮かび上がっている感じですが、それは戦争に翻弄されつつ過去の矜持にしがみついているようでそうでない人間の弱さが滲み出ているのであろう。生きることの辛さを諭した作品であろうが評価がしづらい作品であることにも間違いない。

私的には戦争と言う人に急激な変化をもたらす世界においては、今まで正しいと思っていたことが急に悪く嫌悪される評価になります。
その人の力ではどうしようもない世界の変化(戦争)の前に、主人公がとった師匠であるモリさんから離れてしまったこと(作風の変化)をいつまでも引きずっているように感じられました。
娘・紀子の縁談に関して心配しているところなどその典型例ですよね。

もっとも印象的なのは弟子であった黒田から避けられているであるシーンですね。
やはり芸術家にとっては凄く辛くて悲しいことなのでしょう。

複雑な人間の内面を描くことに長けた作者であるが、5歳までしか日本にいなかった作者はいわば日本が“第二の祖国”なのでもっとリアリティに富んだ作品もあるのでしょうが。
しかしながらバックグラウンドを例えば外国人が読むより数段理解している日本人読者には、戦争を知らない私たちにとっては本作のような作品を通して人の内面の変化を窺い知ることが出来る貴重な体験です。

少し曖昧模糊とした物語でしたがラストは救いがありますよね、孫が2人出来ることを拍手を送って本を閉じれたから良しとしたいですが、外国人読者の率直な感想を聞いてみたいと思ったりもします。

評価7点。
posted by: トラキチ | ハヤカワepi文庫 | 01:51 | comments(0) | trackbacks(0) |-
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