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『ツナグ』 辻村深月 (新潮文庫)
評価:
辻村 深月
新潮社
¥ 662
(2012-08-27)

初出"yomyom" 、2010年10月単行本化により加筆訂正、2012年9月文庫化。
 
吉川英治新人文学賞受賞作品。決して辻村さんの良い読者ではない私ですが、本作を通して作者の確かな力量を感じ取ることが出来ました。
抽象的な表現であるが、作家として読者に1.夢を与える、2.現実を知らしめる、3.生きること(命)の尊さを教える・・・以上の3点が伝わって来ました。
5編からなる連作短編集の形をとっていますが構成が素晴らしいのです。
物語の配置としての構成と、そして使者である歩美と親友の心得で登場する歩美と女子高生との関係とのバランスが絶妙です。

1〜4編目にて依頼人4人が登場しそれぞれの依頼人の視点から描かれます。そして最終章では使者である歩美の視点から語られ、使者となったいきさつを含めた彼のバックボーンと1〜4話の話をより深く掘り下げることにより読者により一層の感動をもたらせてくれます。
ジュンヤワタナベのコートを着ていることぐらいしかわからなかった歩美ですが、凄い過去を背負っていたのです。
それぞれの話の種明かしというか裏事情が語られ読者はなるほどこう言ったことだったのかと思わずにいられません。

一番読み応えのあるのはやはり女子高生の友情の話でしょうね。最終編での“伝言”についてのくだりはハッとさせられます。
少し曖昧で決してハッピーな終わり方でないところが却って心に残りますが、私は背負ったものが大きい嵐ちゃんにも深く同情します。
それはやはり彼女の生きていくことの厳しさを少しは感じ取ったからかもしれませんね。
あとは歩美の両親の死に関する真相が最後にあきらかにされるシーンも印象的ですね。

私たち読者は物語の登場人物である依頼人を自分に置き換え、そして自分だったら誰と会うだろうかということを考えてしまいます。
簡単に選べる人もいるでしょうし、そうでない人もいますよね。
それを考えることが生きているという証しでもあると思いますし、本作を読むことによって自ずから生きるということはどんなことか考えてしまう機会を与えてくれているのです。

人間誰しも後ろめたい気持ちを持っていて、この作品はちょっと言葉が適切かどうかわかりませんが、その後ろめたさを緩和してくれるような効能があるような気がします。
原作が素晴らしいのでどのように描かれているか映画も観たいですね。
本多孝好さんの印象的な解説も見事のひとことにつきます。
さすがプロですね。

評価9点。
posted by: トラキチ | 辻村深月 | 23:29 | comments(0) | trackbacks(0) |-
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