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『愛に乱暴』 吉田修一 (新潮社)
評価:
吉田 修一
新潮社
¥ 1,680
(2013-05-22)

初出 地方新聞、改稿あり。
吉田さんすごいですよね、端的な表現になりますが、有意義な本であるか否かは読者を選ぶのかもしれませんが、とっても面白い作品であるのは間違いのないところだと思います。
ただし人によっては読後感は良くないとも思います。
まず読まれた人の大半が途中で度肝を抜かれますよね本書の構成に。
各章、不倫をしている女性の日記、本文(妻の日常)、夫に不倫をされている妻の日記という構成で語られています。
ところが途中で凄くミスリードさせられていたことに気づきます。
そこが結構衝撃的でスリリングなのです。
<ネタバレあり>
そうなんです、実は初めの日記は桃子が初瀬(現夫)と不倫してた時の日記でタイムラグがありますが、同一人物の書いた日記なのです。
ということでポイントとなってくるのが桃子も過去に現在自分がされていることと同じことをしているわけですね、ただ男性読者視点から言えばやはり旦那が悪いわと認識せざるをえないのです。
まあいろんなことを考える作品であるのですが、まあ基本的には人間こんなに変わるものかなということでしょうか。
個人的には凄く人間観察に長けた作家だと思っております。
元来つかみどころのないところが吉田修一らしいのですが、意外と素晴らしいと思った結末でした、少し狂気の沙汰に陥る桃子ですが、救いがあったように思えます。
誠実な方向に導かれたと受け取っています。
吉田さんは本作において“究極の恋愛”を描いたのかもしれませんが、読者にそれを納得させようとはしていないと感じます。
世の中は悪意に満ちているとまでは言いませんが、結構不条理なものでその中での自分自身の居場所探しを究極の環境にいる登場人物を使って描きたかったのでしょう。

まあ真守のようなだらしない男性を選んだ桃子にも責任はあると思いますが、自業自得とまではいいませんが凄く練られたキャラクターだと思いますし、彼女の再生を願わずにはいられません。
女性読者よりも結構冷静に読めた自分を褒めてやりたいですね(笑)
そして新しい愛人のその後も読みたい気がします。いずれにしても吉田修一恐るべし。

かつて『パーク・ライフ』で芥川賞を、『パレード』で山本周五郎賞を受賞し純文学と大衆文学の大きな賞を合わせて受賞し、その後どのような方向性に進むのか興味を持たれた方も多かったと思います。
その後『悪人』と『横道世之介』の違ったタイプの二つの代表作を上梓したのが一般的な見方ですよね。
全体的なまとまりでは代表作に劣るとは思いますが、本作のような捻りの効いた作品はもっと作者が高みを極める作品へのステップ的なものであると信じたいと思ったりします。

読了日7月12日

評価8点。
posted by: トラキチ | 吉田修一 | 21:52 | comments(0) | trackbacks(0) |-
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