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『幻の声 髪結い伊三次捕物余話』 宇江佐真理 (文春文庫) <再読>
副題の“捕物余話”が示すとおり、通常の捕物帖と違って恋愛を軸とした人情話的要素が強いのが特徴である。
本作に収められている全5話のうち、もっとも感動的である「備後表」以外どの犯人も決して悪人として読者に受け入れられない点が非常に印象深い。
いわば作者の温かさが滲み出ている作品だといえるのだけど、その温かさが主要登場人物のキャラに乗り移っていると言っても過言ではないのであろう。主人公である伊三次。
床を構えない廻り髪結いを職としている25才の下戸男であるが、本業とは別に下っ引として同心、不破の手下の顔も持っている。

一話一話の捕物的要素(ミステリー度)は低いんだけど、脇役も含めてそれぞれの登場人物の生い立ちが語られ、それがいかに展開していくかがこのシリーズの楽しみであると思われますね。
あとは、気風のいいセリフの飛び交うお文と伊三次との関係も含めて目がますます離せなくなるのですね。
あらためて読み返してみると、不破の妻のいなみがとってもいい味を出しているんですね。最後の「星の降る夜」の伊三次を諭すシーンは「備後表」でおせいと一緒に畳を見に行くシーンと並んで本作の中ではもっとも印象的で感動的なシーンと読者の脳裡に焼き付くであろう。

シリーズ第1作を読むのは実は5回目です。全11作中第6作までしか読んでないので決して良い読者とは言えないのですが、初期の頃の展開は他のどの時代小説よりもスリリングな印象が根強く、そして時代小説の面白さを教えてくれた記念碑的と言うかパイオニア的な作品なのです。
伊三次がこの世に出てもう16年経つのですが、若い伊三次を楽しめるので自分も若返った気にさせられました。
デビュー作なれど全5編の構成もすこぶる良い。
最初の3編は伊三次・お文・不破の主要登場人物の生い立ちをそれぞれの視点から事件をまじえて読者に披露する。

男性読者の立場からして伊三次を弁護したいと思う点を最後に書かせていただきたい。
恋人であり深川芸者であるお文に比べて頼りないのかもしれないが、その欠点を補って余るほどの長所が彼にはある。
そう彼の“一所懸命生きていこうとする”姿がお文の胸を打つ。
いや読者の胸を打つと言ったほうが適切であろう。
普通“健気”という言葉は男性には使わないのであろうが、伊三次にはあてはまるような気がするのである。 
このあたり、作者の宇江佐さんの女性読者を意識した気配りは賞賛に値する。

評価8点。
posted by: トラキチ | 宇江佐真理 | 23:11 | comments(0) | trackbacks(0) |-
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