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『ホイッスル』 藤岡陽子 (光文社)
評価:
藤岡 陽子
光文社
¥ 1,680
(2012-09-15)

作者の作品は初読みです。内容的には悪意が描かれていて、読む込みの深い人ほど読んでいて苦しい部分があると思われますが、逆に逆境をいかに跳ね返していくかという観点から読めば救われた気分になる一冊であると確信しています。
物語は妻子る70歳を過ぎた老人の身分で、20歳以上も若い看護師に唆されて離婚をし財産を奪われた石巻章が亡くなるシーンがプロローグとして始まり、それまでに至る過程を時系列的に語って行く構成を取っています。
面白いのは、いろいろな立場の数人の人間が立ち替わり各章で語っている構成でしょうか。主人公と言ってよいであろう妻である聡子、そして娘の香織に姪である優子、芳川弁護士にそこの事務員である沢井、章を騙す和恵と和恵サイドの人間など。裁判の過程を中心に描かれているので内容的には重苦しい部分もありますが、和恵が追い詰められていくシーンは胸のすく思いもしました。あとは、脇役ですが弁護士と事務員の2人、その後どうなったのでしょうか、幸せを願わずにいられません。

読者にとって感動的なのは、やはり夫に厳しい仕打ちをされた聡子が立ちあがって行く姿につきます。もちろん周りの人々のフォローも借りていますが、彼女のある種凛とした態度が上手く人生を切り開いているような気がして、唸らされました。あとつけ加えておくと、凄く達観した読書が出来る人には夫である章がとっても滑稽に思えるはずです。

現実的にこんなことになれば、作品内以上にもっとドロドロしたものがあるのでしょうが、作者は小説で描き得る範囲内で読者に問題点を突きつけてくれます。その問題点を表したのがタイトルの「ホイッスル」という言葉であって、読者である私たちも何か苦しいことや悲しいことがあって、自分自身に警鐘を鳴らすことが出来そうな気がします。少しでも強く生きることを願って書かれたであろう本作、私の中では結構グッと来た作品であって、ささやかながら応援して行きたい作家の一人であります。

作者の藤岡陽子さんは同志社大学文学部を卒業後、新聞記者を経てタンザニアの大学に留学、その後看護師資格などを得ています。デビュー以後4作が上梓され、本作は最新作にあたります。女性作家ならではの繊細さと大胆さを持ち合わせた文章は結構魅力的で、コンプリートを目指して読んでみようかなと思っております。

評価9点。
posted by: トラキチ | 藤岡陽子 | 09:56 | comments(0) | trackbacks(0) |-
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