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『ピエタ』 大島真寿美 (ポプラ社)
評価:
大島 真寿美
ポプラ社
¥ 1,575
(2011-02-09)

著者の代表作と言える2012年度本屋大賞3位作品。まさに読書をするよろこびはここにある美しい作品です。『三月』に続いて2作品目の著者の作品であるが、繊細な中にも慈愛に満ちた内容は他の作家では味わえない領域に達している作品だと感じます。個人的には大賞を受賞しても遜色ないと思いますし、それほどひとりでも多くの方に手にとって頂けたらと思いが強いですね。

この作品の優れたところを簡単に述べると、舞台が海外(バロック時代の水の都ヴェネェツィア)で史実に基づいた作品でありながらミステリー要素を織り込み、読みやすく読者を導き、終盤に感動的な場面をこれでもかというように畳み掛けている点に尽きると思います。
ピエタというのは実在した孤児院の名前であって、主人公であり語り手のエミーリアも赤ん坊の時に捨てられてピエタで育っています。物語はピエタで長年指導をしていた“四季”で著名な作曲家ヴィヴァルディがウィーンで亡くなったという知らせが届いた時点でスタートします。

ヴィヴァルディが亡くなったことによって、彼に返したはずの一枚の楽譜、この楽譜が後々大きな感動をもたらすのですが(読んでのお楽しみですね)、物語は主人公の周囲のピエタ及びヴィヴァルディに関わる人達との過去及び現在の関わりを描くことによって緩やかに進んで行きます。

当初、その緩やかさにいささか退屈な物語かと思った読者も多いでしょう、ところが中盤に本作のキーパーソンであるクラウディアの登場によって一気に物語が読者サイドにたなびいてくるのです。彼女の登場はヴィヴァルディ自体を読者に対して身近なものとして、あたかも1700年代のヴェネツィア共和国に居合わせているかのような感覚にさせられます。作品を通して感じた著者の素晴らしいところは、作品全体にヴィヴァルディに対してリスペクトした気持ちを漂わせているということを根底として、やはりこの世に生を受けたものに対する命の尊さが十分に読者に対して伝わってくる点だと思います。
主人公の出自も含めて、これは誰もが強くそして深く読みとれることだと思います。
それにしても、後半のクラウディアの病気に対する看病の場面やロドヴィーゴさんの歌の場面等、凄く印象的でいつまでもくっきりと読者の脳裏に焼き付いて離れないシーンが盛りだくさんの作品です。人と人との繋がりの大切さを思い起こさせてくれる本作、名作という名にふさわしい作品であると確信しています。それとともに巻末の参考文献の多さ、著者に本作を書きあげた敬意を改めて表したいと思う。

(読了日2013年12月28日)

評価10点。
posted by: トラキチ | 大島真寿美 | 14:59 | comments(0) | trackbacks(0) |-
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