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『わたしを離さないで』 カズオ・イシグロ (ハヤカワepi文庫)
原題”NEVER LET ME GO”、土屋政雄訳。今回舞台化を機に再読したのであるが、文庫本の表紙のカセットテープを見るとあのメロディーが浮かんできて胸が締め付けられます。
本作はイシグロの代表作であると並び称される『日の名残り』と同様、読者が作品の世界内に没頭できる作品に邂逅できる稀有な作品である。 『日の名残り』のような人間の矜持を示したいわば正攻法的な作品ではなく、人間(自分自身とも言えそうです)の存在価値というか尊厳を問うた近未来的な作品であるということは読んだ誰しもが感じているところであるが、特に強調しておきたいことは読者が主要登場人物3人(キャシー、トミー、ルース)に成りきって読み進めれるという作品であるということで、実質の内容はリアルなようでそうではないのであるが(あってはいけないことであるが)、私たちが生きている社会というか世界全体を覆っている閉塞感を醸し出している作品だと感じます。

イシグロが寡作なのは英語圏作家であることは当然のこととして、内容自体が他の作家では描けない領域の世界を描いていて、なおかつ根底にあるものは万国共通の普遍的な部分なのでしょう。
深読みすれば、やはり慈悲的な生き方や弱者を労わるようなメッセージも込められているのではないかと思われますし、身近に考えればキャッシー視点から語られるルースという人物と2人の友情をも深く味わう作品だとも言えそうです。

印象的なシーンはポシブル(舞台ではオリジナルという言葉を使われてました)を探しに行くシーンとラスト近くの猶予を交渉しているシーンですね。読み返すことにより「細部まで抑制が利いた」「入念に構成された」という柴田氏の解説文がより理解できたことは間違いないです。

評価9点。


舞台のミニ感想:6/3梅田シアタードラマシティにて鑑賞、客入りは9割程度男女比は3:7ぐらい。平日でチケット代金11000円のために若い人は少ないような気がした。
演出は世界の蜷川幸雄、配役は多部未華子(キャシー)、三浦涼介(トミー)、木村文乃(ルース)但し名前は日本語名となっています。ほぼ原作に忠実な内容だった。途中2回休憩を含めた4時間弱の長い舞台であり、そして埼玉→名古屋→大阪へと舞台を移したあとの最終公演ということで熱演のあとのカーテンコールでの出演者の達成感あふれた表情がとっても印象的であった。
内容はイシグロの世界に既に浸っている小説既読者には入り込めやすいのだけど、まったくまっさらな状態で観られた方には少しきつい様な気がしました。多部ちゃんは貫禄の演技で彼女が歌ったあのメロディーが脳裡に焼き付いて離れないでしょう。もっとも熱演したのは三浦涼介君で、トミーの原作のイメージに近かったように感じました。見間違いではないと思いますが、カーテンコールでの彼の涙は今後の彼の飛躍を暗示しているように感じました。
posted by: トラキチ | ハヤカワepi文庫 | 13:53 | comments(0) | trackbacks(0) |-
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