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『ブルース』 桜木紫乃 (文藝春秋)
評価:
桜木 紫乃
文藝春秋
¥ 1,512
(2014-12-05)

初出「オール讀物」。八編からなる連作短編集で成り上がりと形容して良さそうな一人の男を描いているのであるが、作者の作風や読者層からしてそれぞれの編に登場する女たちの物語という捉え方の方が正しいようにも思える。
前作『星々たち』と前々作『蛇行する月』でも周りの人間から見た主人公ともいうべき人物をくっきりと浮かび上がらせる作風を取っているが、読者サイドからして主人公が女性だったために本作とはかなり違った印象を受け、そのために新境地作品とも捉えることが出来ると感じる。

それは主人公である博人の個性が際立っていることが最大の理由である。彼は指が六本あって作中で一本をそぎ落としてしまうのですが、それがまるで不要な過去との隔絶のようにもとれるし、そのあとかた(瘤ですね)がその後の武器ともなっているようにも感じられます。
そのバランスが読者にとっては絶妙で、思わず上手いなと唸らされました。
女性が主人公の場合、どうしてもその人物が不幸か否かという読み方を主導してしまい作者の力強い文章と相まってグイグイと引き込まれるのであるが、本作は主人公である博人の出自の不幸さをバネにしてのし上がっていく様が決して綺麗ではないけど、思わず肩入れしたくなる程度に真っ直ぐに読者サイドへ到達しているところが素晴らしいと感じる。

そして各編の女性それぞれが博人と関わることによって、人生をより味わい深いものとしているようにも見受けれます。
ちょうど時代が昭和から平成に変わるところというのも本作にとっては重要なポイントで、ある程度の年齢を経た読者にとっては懐かしい楽曲が出て来たりして、その当時の釧路に思いを馳せる作者の気持ちが力強く読者に伝わるところなんかは他の作家では決して味わえない部分だと感じます。

称賛すべきと感じる所は、博人が選んだ女性が最も読者サイドからして納得できる人物であるという点である。これは私自身のひとりよがりな感想でないことを願っているのであるが、その選択が博人にとって、ある種悲哀に満ちたというよりも充実した人生を過ごしたというように読み取れたことの手助けとなっていると強く感じた。
男性一読者として、決して博人の生き方が正しいとは思わないが、力強い生き様は読者に勇気を与えていることは間違いないところでもっと自分を鍛えなければという気持ちにさせられました。

(読了日2014年12月26日)

評価9点。
posted by: トラキチ | 桜木紫乃 | 00:37 | comments(0) | trackbacks(0) |-
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