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『サヴァイブ』 近藤史恵 (新潮文庫)
『サクリファイス』『エデン』に続くシリーズ第3弾で初の短編集。全6編からなるのであるが、時系列が少しややこしいが逆に構成が圧巻である。最初と最後はお馴染みの主人公である白石の語りで始まり締め括られる。最初はフランス、最後はポルトガルでの話なのであるが、どちらもドーピング問題を扱っており自転車ロードレースの世界最高レベルでの戦いの過酷さを描写していると言って良いのであろう。これを読むと日本人でそこで活躍できるのはアシスト役が精一杯なのも頷けてくるのは少し切ない。

しかし本作品集では懐かしいと言えばオーバーかもしれないけれど伊庭と赤城によって語られている残りの4編が主役というかメインだと考えるのが妥当であろうか。その中でも赤城によって語られる彼自身の過去のヨーロッパでの前歴や元エースである石尾との話が特に印象的である。というのはサクリファイス以前のチームオッジの過去の話が語られていて、競技だけでなチーム内のエースを中心とした変化の過程、とりわけ赤城と石尾との信頼関係が築かれて行くシーンが圧巻で、本作を読むことによって1作目のストーリーがより感動的に読者の胸の内に入ってくる。

ご存知のように本シリーズは白石が2作目以降ヨーロッパに活躍の舞台を移すのであるが、赤城によって語られる石尾の存在の影響をかなり受けていると思われる。彼の意志を受け継いでヨーロッパで活躍している白石の姿が浮かび上がって来る。人生以上にドラマティックで厳しい世界を見事に描いている作者には頭が下がる思いである。

そして毎度ながら本シリーズのタイトル名の命名には度肝を抜かれるのであるが、今回も同様であった。今回のサヴァイブという言葉は本当に力強く、とりわけ本作で描かれているアシスト役を貫いている姿勢を語っているように捉えている。それは“チームの結果に結びつくなら、自分(アシスト役)は最下位でも構わない”という近年の私たち日本人が忘れている姿勢であると思わずにはいられない。人生時には送りバントも必要ですよね、いい勉強となった一冊であることを付け加えておきたい。

評価8点。
posted by: トラキチ | 近藤史恵 | 21:17 | comments(0) | trackbacks(0) |-
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