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『ストーナー』 ジョン・ウィリアムズ (作品社)
評価:
ジョン・ウィリアムズ
作品社
¥ 2,808
(2014-09-28)

原題"STONER"、春江一紀訳。第一回日本翻訳大賞読者賞受賞作。一人の地味で平凡な文学者の人生を静かに綴った作品と言えば簡単な要約過ぎるのかもしれないけれど、この物語が2015年になって日本の読者に読まれているということに関してはかなりのドラマが潜んでいる。本作が刊行されたのは1965年で約50年前であって東京オリンピックが開催された翌年である。訳者に代わるあとがきを読んで、様々な国で翻訳されたいきさつが書かれていて読者も感慨深いのであるが、最も読者の胸に突き刺さるのは訳者である東江さんの最後の訳本であって、病床につきながら一字一字精魂込めて訳されたということが読者に伝わってくるということである。

この美しい訳文は、たとえば日本人の作家が読者に読みやすい言葉を提供しているのとは180度違っていて、訳者の日本語に置き換えるに際し、まさに芸術的領域と言っても言い過ぎでないほど美しい文章で読者に対して翻訳作品でしか味わえない満足感を与えている。
まるで主人公のストーナーのに乗り移ったかのような魂を込めた訳文、心に響きます。日本語の素晴らしさに誇りを持ちたい気分です。

物語は二つの大きな戦争にまたがって語られます。貧しい農家に生まれた主人公が紆余曲折を経て文学者である人生を終えるまでが語られるのですが、決してサクセスストーリーでないところが本作の最大の魅力点だと思います。そこがアメリカ的ではないのかもしれませんが、あらゆる国の人が読んでも等身大的な作品だともいえ、言い換えれば、読者にとって年齢が高ければ高いほど、主人公の真似が出来そうだけれど出来ないということを経験しているからだと思います。

友人、妻、愛人、娘、教え子など、いろんな人と関わり人生という航路を進んで行く主人公、必ずしも彼の取った行動がすべて正しいとも思いませんが、彼には文学という彼の人生の骨格となるものがあるからこそ歩むべき道が誤ってなかったとも言い切れそうです。
本作を手に取ることによって、文学の奥の深さを再認識された方も多いかと思います。本作に出会えたことが自分自身を見失わなく、小さな幸せを探求することの大切さを教えられました。

評価10点。
posted by: トラキチ | 翻訳本感想 | 18:34 | comments(0) | trackbacks(0) |-
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