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『子供時代』 リュドミラ・ウリツカヤ (新潮社)
沼野恭子訳。六編からなる掌編集。ウリツカヤと言えば、以前『通訳ダニエル・シュタイン』を読んで鳥肌が立つ思いの読書を体験できたことが記憶に新しいのであるが、本作のように児童書兼大人のお伽噺のような作品を書かれていたということでより作者の能力の高さを理解できたのは私だけではないはずだと確信している。
物語の舞台となっているのは1949年でちょうど第二次大戦から4年経った時代でやはり戦争の余波で貧困にあえいでいた世相が反映されている。そしてやはり注目したいのは作者自身が1943年生まれであって、冒頭のキャベツの奇跡で登場する6歳の少女とどうしても重なってしまい、それが単なる創作という部分だけでないという重要なものが読者の胸に伝わってくるのである。

ラストの「折り紙の勝利」もとりわけ感動的であって、物語のラストを飾るにふさわしい一編である。母親役の女性がベートーベンの曲をピアノで弾くシーンが印象的であり、現代日本に生きる私たちはベートーベンと言えばやはりヨーロッパの偉大な作曲家という意識していないけれど、当時のロシアにおいてはファシズムの国の偉人という認識で捉えていることにハッとさせられた。

読者それぞれ自分の子供時代と照らし合わせて、似た経験もあるであろうがやはり戦後生まれであれば自分自身の生い立ちの方が平和であることにも気づかされ、ちょうど終戦に近い時期に読め、忘れてはならないことを再認識できたことが感慨深いのである。
つけ加えておくが、本作はところどころに効果的な絵が散りばめられていてまるで二人三脚のような素敵な一冊に仕上がっている。新潮クレストブックスシリーズの底力を見た読書となったことを書き留めておきたい。

評価9点、
posted by: トラキチ | 新潮クレスト・ブックス(感想) | 13:35 | comments(0) | trackbacks(0) |-
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