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『ロゴスの市』 乙川優三郎 (徳間書店)
評価:
乙川 優三郎
徳間書店
¥ 1,620
(2015-11-10)

初出「読楽」加筆訂正あり。実力先行という言葉は人気先行という言葉ほど使われないのかもしれないけれど、文字通り実力があるのに人気が追いついていない状態で、作家においても読者それぞれイメージ出来る作家がいると思うけれど、個人的には乙川氏がその言葉が当てはまる代表格の作家だと認識している。
直木賞作家ながらも、時代小説という兎角敬遠されがちなジャンルのためにセールス的にも少し伸び悩んだ感も否めなかったのだけれど、根強いファンがいたのも事実で作者が現代小説に挑戦した時にはがっかりした人も多かったのではないかと想像する。

先輩である偉大な山本周五郎と藤沢周平を足して割ったような作風であり、文章に関しては先輩たちよりもより端正さ・静謐さが増していると感じていたけれど、寡作であるのとエンタメ度が足りなかったのがセールス面で苦労した要因かもしれない。
本作は現代ものの4作目であって評判が良いので初めて手に取ったのであるが、評判に違わぬ傑作であると断言したいと思う。

まさか、作者からジュンパ・ラヒリの作品についての蘊蓄が聞けるとは夢にも思わずとっても感動的な読書となり、山本氏や藤沢氏の現代もののような違和感は全く感じなかった。
逆に本作を読んで作者の過去の時代小説に挑戦してより作者の凄みを味わってほしいと感じる。
過去を振り返った青春恋愛小説の形態をとっているけれど、翻訳と同時通訳についての作者なりの大いなる奥の深い考察が積み重ねられていて、本が売れにくくなった時代の実態を知るとともに重みのある読書となった。
男性読者サイドから言わせてもらえば、ヒロイン役のせっかちな悠子が素敵であり、のんびりな弘之を自分に置き換えて読むと楽しくもあり儚くもある。

2人が結婚して生活を送っていたらどうなったかは定かではないけれど、お互いが同志のように励みにし合って成長していく過程は印象的であり、決してすれ違っていたわけではないとわかるラストのサプライズを堪能してほしい。
前述したラヒリだけでなく、向田邦子に対するリスペクトも作者ならではのもので、現代小説においても十分に一流であることを証明した。翻訳小説が好きな方には是非一読して欲しい作品である。

評価10点。
posted by: トラキチ | 乙川優三郎 | 21:53 | comments(0) | trackbacks(0) |-
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