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『犯罪小説集』 吉田修一 (角川書店)
評価:
吉田 修一
KADOKAWA
¥ 1,620
(2016-10-15)

初出「野生時代」。前作『橋を渡る』の上梓によってより幅広い作風を読者に提供してくれた作者。とりわけ犯罪小説は代表作である『悪人』や『怒り』をはじめ最も得意とする分野だと思われる。本作はその作者が満を持して放った五編からなるハイクオリティな作品集である。タイトル名はとってもシンプルで作者らしいのであるけれど、内容は予想通り一筋縄ではなくバラエティに富んでいてまるで長編を五編読んだようなボリューム感があり満腹感に溢れる読書体験を味わえた。

犯罪に陥るのにも大きく分けて2パターンあって、環境などによってやむをえずに陥るものと自己制御できずに陥るものとに分けられると考えます。とりわけ印象に残ったのは後者の自己制御できずにずるずると落ちぶれていく人達であろうか。貧困や周りの環境により陥っていく犯罪は読んでいて同情の余地があるものの、家が裕福であったりあるいは栄光の頂点を極めた人間が落ちていく姿は、やむを得ない部分よりも自業自得的要素が強く読んでいてスリリングであり、作者の筆もひと際冴えている様に見受けられる。本作にて該当するのはバカラカジノに現を抜かす「百家楽餓鬼」、プロ野球一流選手から落ちぶれてしまう「白球白蛇伝」。男性読者としては、全く気持ちがわからないわけではないものの、決して肯定することが出来ないと結論付けざるを得ないところが抉られます。

ただ残り三編を押す方がいらっしゃってもおかしくありません。いずれにしても作者の人間の弱さをあぶり出す見事な描写は他の作家のそれとはステージが違うと感じます。出来れば全編を映像化して楽しませていただけたらと思います。一般的に白吉田作品と言われる『横道世之介』や『路』と合わせて読まれると作者の多才ぶりがより実感できると考えます。一体吉田修一はどこまで進んで行くのだろうか、今後ますます期待がかかります。

評価8点。
posted by: トラキチ | 吉田修一 | 19:25 | comments(0) | trackbacks(0) |-
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