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『八朔の雪 みをつくし料理帖』 高田郁 (ハルキ文庫)
満を持してNHKでドラマ化が決定したご存知作者の代表シリーズの第一弾。
苦労をしながらも成功を収めるであろう一人の女性の奮闘記と言えば簡単であるが、作者特有の細やかな描写が読んでいて頗る楽しいことが本作の成功を象徴していることのように思える。

ヒロインの澪は下がり眉が特徴であり、幼なじみで美貌が持ち主の野江とは対照的であるところが女性読者のハートを掴むのでしょう。外見はともかくその性格というか何事にもくじけない気持ちが素晴らしいの一言に尽きます。

本作では主な登場人物が一通り登場し、澪が江戸に出てきたいきさつ(大坂での出来事)が読者に披露され、江戸のつる屋という蕎麦屋で奉公しているところから描かれます。その時澪は18歳でした。全4編のサブタイトルともなっている料理名が拵えられる過程もほっこりしていますが、如何に荒波を乗り越えつつ主人公が成長してゆくか、周りを取り囲む人たちとの温かいふれ合いを感じながら読み進めて行きたいと思います。

武士の小松原や医者の源斉との恋模様も楽しみですが、第一弾の後半では、軌道に乗ってきたつる屋が何者かによって火をつけられて屋台から再出発します。苦労に翻弄されつつも健気に生き、立ち向かって行く姿は見習わなければなりません。

評価9点。






posted by: トラキチ | 高田郁 | 19:29 | comments(0) | trackbacks(0) |-
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