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『切羽へ』 井上荒野 (新潮社)
評価:
井上 荒野
新潮社
¥ 1,575
(2008-05)
<女性の凄さを知らしめてくれた恋愛小説。>

第139回直木賞受賞作。
いやあ、読解し辛いよねこの本。

いろんなとらえ方というか意見があってもおかしくないでしょう。
正直、こんなに読み応えのある作品だとは思ってなかった。
でも感想は本当に書きづらい(汗)
本質的には“女性向けの美しい小説”だとは思います。

舞台は九州の小さな島。
主人公は人妻のセイ。島の小学校で養護教師として働き、夫・陽介は画家で平凡であるが幸せな日々が続いている。
だが、ひとりの男性音楽教師・石和が赴任してきて彼女の心は揺れ動き始めるのである。
ポイントはいくつかあります。

まず女性の本質的な部分としての対比。
これは月江という軽い女性を登場させることにより、主人公の想いの切なさを露呈させている。

次に主人公が世話をしていた老女・しずかさんに対する石和との対応の違いですね。
何かを失うことに敏感な主人公を浮き彫りにする効果っていうのかな。
石和との関係の行く末が、しずかさんに対する行動の違いにより正当化しているように感じたのです。

あとは感情だけで恋愛が成り立つかどうかという点。
最後にめでたいような終わり方だが、実際セイの心の中ではどちら(旦那か石和)の比重の方が大きいのか。
彼女ってしたたかであってしたたかじゃないのであろう。

ただ、あまり深読みせずに、小説として読んだ本作のスリリングさは、他の作品では到底感じ取ることの出来ないレベルに達していると思える。
2人はどうなるかという点だけに焦点をしぼって読んでみても楽しいエンタメ作品だと言える。
その他の解釈、特に石和の人物像自体、読者に委ねてますよね。
そこはかなり賛否両論があってしかりでしょう。

曖昧さが特徴とは言え、それにしても登場人物の男性たち、滑稽ですよね。
全然魅力的じゃないですよね。
とりわけ、本土さん(笑)
一般的に一男性読者からして、こんないい旦那いるのに何故主人公は?と感じるのであるが、それはもっとひどい本土さんの存在があるので口に出せません(笑)


作者の手法・筆捌きの見事さもちょっと述べさせていただく。

本作は読者にかなりのことを考えさせることができる物語である。
たとえばセイの石和に対する気持ちって心の浮気なのか純愛なのか?
私的には“人妻だって恋しますよ”という作者の声を聞いた気がする。
性描写がないからこそ、美しい物語に仕上がっているとも言えそうだ。
読後ちょっともやっとしつつ、少し胸をなでおろしている自分に気付く。
最後に読者のひとりとしてセイが“切羽へ”までたどり着いたことだと解釈している。
切羽→新しい生命の誕生により・・・

結論を言えば、主人公は肉欲に走らなかったから切ないのでしょうね。
淡い恋は人間を成長させるのである。
セイの幸せを願って本を閉じた。

元来、女性とは男性以上に恋をし情熱的な生き物なのである。

オススメ(9)
posted by: トラキチ | 井上荒野 | 23:55 | comments(12) | trackbacks(6) |-
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こんばんは。
言葉として書かれているわけじゃないのに
セイが惹かれていく様子。
心がざわつくみたいでした。
そういえば、ひどい人です本土さん(五七五、笑)。
| 藍色 | 2009/03/06 5:19 AM |
トラキチさん、コメントありがとうございました!
確かに女性向きの作品かもしれないですね。
わたしもセイの幸せや未来を思って本を閉じました。
セイのようなひたすらに誰かを見つめる切実なる思いを、
そっといつまでも胸にしまいこみたい気持ちにかられました。
確かに、本土さんはひどいかも(笑)
| ましろ | 2009/03/06 6:42 AM |
性描写なしで大人の愛が見事に描き出されている・・と、作家さんのどなたかも言っておられました。
然り、です。
島の情景は素晴らしかったですよね。そこにいるようでした。
賛否両論あって、何かスルーできない雰囲気を持った作品ですよね。それだけ魅力があるということでしょうか。
| ゆう | 2009/03/06 9:39 AM |
>藍色さん
セイが惹かれていく様子は本当によくわかりますよね。
わからないのはなぜ石和にそんなに熱くなるのかということでしょうか。
本土さん→ひどすぎる、石和さん→ひどいという形容がぴったしかな(笑)

>ましろちゃん
そうですね、惹かれていく様子は本当によくわかったのですが、男性だったら行動に移しますよね(でも既婚だから無理かもね)。
話の内容的には、魅力のない石和を出すことによってのエンディングだったのかなと思ったりします。
セイにとって良かったのではないでしょうか。

>ゆうさん
話の展開の面白さやあるいは美しい文章はほとんどの方が認めてるのですが、問題は男性キャラと主題でしょうかね。
まあ直木賞を取ってるので余計に賛否の否の部分が取り立たされているような気もします。
それにしても、読まれてレビューアップされてる方本当に多いですね。
賞を取ってなかったら5分の1ぐらいじゃないかなと推測します。
| トラキチ | 2009/03/06 12:46 PM |
こんばんは。
石和が来たことによってセイと夫
セイと月子のバランスが危うくなる。
危ういんだけど、誰も何も言わない。
そんな緊張感が伝わってきました。
| なな | 2009/03/06 7:26 PM |
さすがトラキチさん!
深い考察にしみじみ考え込んでしまいました。
主人公にどっぷりとは共感できないけれど、何となく見守ってしまう・・不思議な力を持った小説だったと思います。
トラキチさんのおっしゃるとおり、読者にゆだねる部分が多い故かもしれませんね。

TBさせていただきます。届くでしょうか?
| EKKO | 2009/03/06 11:06 PM |
ななさん、こんばんは♪
石和と本土さんの喧嘩のシーンがとっても印象的でした。これって本当に滑稽ですよね。
でも月江も滑稽かもしれませんね。
本人は一生懸命なんだろうけど(笑)
| トラキチ | 2009/03/06 11:06 PM |
「女性向けの小説」とおっしゃいますが、まあ読者に女性が多いでしょうけれど、必ずしも「男性はダメよ」という小説ではないと思いますよ。

それと、「美しい小説」とも思わないなあ。物語の舞台はたしかに美しい海にかこまれた場所ですが、女の心の奥底のエロな部分をきめこまかく描いてて、それは決して美しいものではないと思います。


| pandora | 2009/03/07 10:03 AM |
トラキチさん、こんにちは!

「切羽へ」、もっと情熱的な愛を描いていると思いきや実に慎ましやかな淡く芽生える愛でセイ自体もこれをどう扱えばいいのか戸惑う様子が絶妙と感じました。
愛する夫がいるけれど、それでも別の男性を気にかけてしまう、恋してしまうっていうのはどうしようもなく制御しがたいものなのかなぁ、と自分にもそんな部分があるのかしら?と何だか新鮮な思いでした。
| リサ | 2009/03/07 10:13 AM |
人妻であっても恋をするその切ない想いが感じられる作品でした。
心に思いを秘めているセイと軽い感じの月江と対照的に描かれていましたね。
| | 2009/03/08 3:58 PM |
そうそう!この本に出てくる男性陣って魅力的な人がいないですよね〜特に本土さん(笑)
確かこの作品が連載?されている時は、石和ってもっと魅力的な男性として描かれていたらしいんですよ。それで本にするにあたってどこが魅力なのかよくわからないような男性に書き直したというのをどこかで読んだ記憶があります。
愛する夫がいて夫との関係も良好なのに、でも他の男性にどこかしら惹かれてしまう・・・という気持ちは、わからなくもないかな〜?(笑)安定しすぎているからこそ、心に動き(恋心)を持ちたいと思ってしまったのかも?
| 板栗香 | 2009/03/09 3:53 PM |
>EKKOさん
こんばんは♪ いや〜、この作品に関しては十分に読解できてないような感じです。
まあ、ラストは読者に委ねてるんだとは思いました。前向きにね(笑)
TBどうもライブドアの方とは相性悪いみたいです。
ご迷惑お掛けします。

>pandoraさん
こんばんは♪おっしゃられるように男性に合ってないとは言えないと思います。
作家の立場からしてどうしても一般的に小説を書く場合、読者層というか男女比がどうなんだろう、3対7ぐらいじゃないかと推測します。だからどうしても女性がわかりやすいように書かれてるのでしょうね。もちろん、女性作家ということも含めて。
心の奥底のエロな部分、少しだけわかります(笑)

>リサさん
こんばんは♪リサさんにもセイ的な部分があるのでしょうか。ちょっとドキドキしますね。実際、私は展開をドキドキしながら読みましたよ。
感じ方は十人十色で、男性としてもセイより月江の方が可愛いと感じる人もいると思います。
セイのような女性より月江のような女性と言ったほうが適切かな。

>花さん
コメントありがとうございます。
そうですね、対照的な2人の描き方が秀逸ですよね。
上に述べたように、月江の方がかわいいという男性もいるんですね。
私はそうじゃないですけど(笑)

>板栗香さん
コメントありがとうございます。
そうなんですか。かなり改稿されてるんですね。
おっしゃられるように、さしたる欠点のない夫に対して敢えて優柔不断な石和を描いて、読者を牽制してるのかもしれませんね。
捉え方は本当に紙一重ですが、そこに作者の手だれぶりがうかがえます。
| トラキチ | 2009/03/09 7:10 PM |









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