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『オブリヴィオン』 遠田潤子 (光文社)
評価:
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話題の遠田さん、初挑戦しました。桜木紫乃さんの作風と比べてみましたがエンタメ度においては遠田さんの方が上に感じます。 読み応えのある物語であるに違いなく、少し信仰宗教や特殊能力など強引なところもありましたが釘付けにされて読まれた読者が多いと思われます。 妻を傷害致死させた主人公である吉川森二が出所するシーンから物語は始まるのですが、大学教授で義兄の圭介とヤクザで実兄の光一が待っていました。 森二は2人の男と縁を切って生きていこうとしますが、そうはさせてくれません。過去を振り返りながら紡がれる遠田ワールド 。

個人的には隣に住んでいてバンドネオンを演奏する沙羅や実母を戸籍上の父親(森二)に殺され不安な毎日を過ごす冬香など本当に魅力的な人物、言い換えれば幸せをつかんでほしいなと思わずにいられない人たちにため息が出ます。 ミステリー度も高く、主なところで言えば冬香の本当の父親は誰なのかという疑問を持って読まれた方が大半だと思いますが、終盤の怒涛の展開、兄弟愛に満ちたシーンや森二が沙羅に取ろうとする行動などジーンとくるシーンが待ち受けていますが、何はともあれ私たち読者は彼らが前を向いて生きていく姿に胸を打たれます。

森二は愛する唯を死に至らしめましたが、その事件も人生をやり直そうと思っていた時期のことであったこと、夫婦の愛情は本物であったと思いますし、これからもわずかですが希望をもって生きていくのでしょう。とにかく作者の熱量に圧倒された読書となりました。タイトル名ともなっているオブリヴィオンですが、忘却と赦しという意味で主人公の生きざまを表しています。絶望的な人生でもわずかな希望をもって生きてゆく、応援したいものです。

評価9点
posted by: トラキチ | 現代小説(国内) | 21:52 | comments(0) | trackbacks(0) |-
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