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定額給付金で“波”年間購読&重松節炸裂書評。2009.04.30 Thursday
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旅行?あるいは読書三昧?どちらも羨ましいです(笑)
さて、定額給付金が入ったので(笑)新潮社の“波”を申し込みました。
これは文藝春秋の“本の話”とともに結構有益な雑誌だと思います。
廉価ですしね。年間たった1000円です。
月刊雑誌定期購読されてる方いらっしゃったら教えてください。
その種の知識、あんまりありませんので(汗)
“波”も“本の話”も今まではネットで少し記事を読んでましたが、来月からは雑誌で読めます。
ちなみに今月は重松清さんの太宰治の文庫新刊『地図 −初期作品集ー』に関しての記事があり、凄く重松節を発揮しています。
記事はこちら
後半部分引用しますね。
“だから、僕も途中からは本書に向き合う姿勢をあらためた。これは「資料」じゃないんだ、中学生のお小遣いでも買える文庫なんだ、ってことはオレの本の商売ガタキじゃないか。机に向かってではなく、ソファーに寝ころんで読んだ。電車の中で読んだ。ラーメンを食べながら読んだ。それが僕なりの文庫本に対する礼儀である。
そうすると、たとえば『角力』『犠牲』『哄笑に至る』『瘤』などはどうだ。全集で読んだときには、「兄弟のそれぞれに弱さとずるさを振り分けている。やがて太宰は、それを『私』に統合して、弱くてずるい、という人物像を好んで描くようになる」という構図ばかり考えていたのに、今回の再読ではただひたすら夢中になって読みふけった。みずみずしかった。せつなかった。太宰治論のための「資料」の価値を超えて、太宰の「新作」として、少年小説の「新作」として、単純に、純粋に、好きになった。
胸の高鳴りが何重にもかさなって響く。この小文を書いているいまも消えていない。この歳になって太宰の「新作」に出会えるなんて思わなかったなあ、と素直に頬がゆるむ。とんでもなく強烈な商売ガタキ、あらわる。負けて悔いなし。これもまた滅びの美学というやつなのである。違うな。”
太宰さんの文庫、買っちゃいそう(笑)
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新潮クレスト・ブックス 『最終目的地』 発売。2009.04.29 Wednesday
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世間はGWですが、私は仕事です(泣)
車はかなり渋滞してますね。
さて、新潮クレスト・ブックスの最新刊『最終目的地』(ピーター・キャメロン著 岩本正恵訳)がbk1から届きました。
旧作は図書館頼みだったので、初めて買ったクレスト・ブックスということになります。
帯を見ると“英国古典小説の味わいをもつアメリカの傑作長篇小説”と書いてあります。
440ページほどありなかなか読みごたえありそうな感じですね。
2002年刊行の作品で、2007年にアンソニー・ホプキンス、シャルロット・ゲンスプール、真田広之出演で映画化されてるそうです。
日本では多分未公開で今のところDVDも出ていないはずです。
新潮社のHPで立ち読みできます。
見事な岩本さんの訳文をどうぞ。
こちら
私も月開けぐらいから堪能させていただきます。
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『日の名残り』 カズオ・イシグロ (ハヤカワepi文庫) 《四季さんオススメ》2009.04.27 Monday
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四季さんのオススメ本。オススメ本リストはこちら
<土屋政雄氏の歴史的名訳による重厚な一冊。人生について深く考えさせられるブッカー賞受賞作品>
『エデンの東』(ハヤカワepi文庫)や『月と六ペンス』(光文社古典新訳文庫)、『アンジェラの祈り』(新潮クレストブックス)の名訳で著名な土屋政雄訳。
ブッカー賞受賞作品。
さて、カズオ・イシグロ初挑戦しました。著作リストはこちら
映画の感想はこちら
これはもう素晴らしいの一語に尽きますね。
あまり小説に男性向け・女性向けという形容を施したくないが、この作品は男性向けの作品だと思う。
なぜなら作者は“男の人生”を描いているからだ。
でも女性が共感できないということはありません、逆にこんな男に惚れて欲しいと思ったりします(笑)
あとどうなんだろう、特徴としては作者にとっての母国となるイギリスに対して、ある時は誇り、ある時は辛辣に描いているように見受けれる。
物語の始めに読者は主人が今までの英国人からアメリカ人に変わったことに驚きを隠せずに読み進めたのである。
予想通り全体を支配している重要なことでした。
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日曜劇場『ぼくの妹』主題歌 “ふたり”by いきものがかり2009.04.27 Monday
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オダギリジョー&長澤まさみ主演、日曜劇場『ぼくの妹』主題歌“ふたり”の生ライブです。
歌のあとに長澤&オダギリのインタビューがありオダギリさん、相変わらずのオダギリ節健在で爆笑です。
ドラマは2回オンエア、私も観てます。
オダギリジョー&長澤まさみ主演、日曜劇場『ぼくの妹』主題歌“ふたり”の生ライブです。
歌のあとに長澤&オダギリのインタビューがありオダギリさん、相変わらずのオダギリ節健在で爆笑です。
ドラマは2回オンエア、私も観てます。
曲はサビの部分の詩とメロディーが絶品。
ツアーの最中でちょっと眠そうですが(笑)
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岩本正恵訳本リスト。2009.04.25 Saturday
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岩本正恵さん、今もっとも自分のフィーリングに合う訳者ですね。
1964年生。東京外国語大学英米語学科卒です。
新潮クレスト・ブックスの復刊本は今まで2冊しかなくて、2冊とも(『キス』『巡礼者たち』)岩本さんの訳本なんですね。
これはどれだけ凄いことかと言えば、逆に絶版された本が20冊以上あるのですわ。
だから新潮クレスト・ブックスの功労者と言っても過言ではないでしょう。
これは作品としての質も高いことは当然だが、翻訳が素晴らしいということも当てはまると思うのである。
上記2冊以外にクレスト・ブックスでは『シェル・コレクター』『世界の果てのビートルズ』、そして満を持して4/30日に『最終目的地』ピーター・キャメロン著が出る。
これで5冊ですね。
特に女性読者の方はご一読してほしいのですね。
静謐でそして簡潔な文章。そして一言で言えば“品格のある翻訳”これは岩本ワールドですわ。
あと白水社の“新潮クレスト・ブックス”シリーズとも言える“白水社エクス・リブリス”シリーズにも年内に登場するみたいです。
『青い野原を行く』 クレア・キーガン著
かなりの売れっ子ですね。
http://www.hakusuisha.co.jp/exlibris/cat37/index.html
古川日出男さんや桜庭一樹さんのコメントも読めます。
岩本さんの現在入手できる作品をリストアップしますね。
新潮クレスト・ブックス
『最終目的地』 ピーター・キャメロン著 (2009/04予定)
『世界の果てのビートルズ』ミカエル・ニエミ著 (2006/01)
『シェル・コレクター』アンソニー・ドーア著 (2003/06)
『巡礼者たち』エリザベス・ギルバート著 (1999/02)
『キス』キャスリン・ハリソン著 (1998/05)
他社の作品
『四月馬鹿』ヨシップ・ノヴァコヴィッチ著 白水社 (2008/03)
『石の葬式』パノス・カルネジス 白水社 (2006/08)
『ああいえばこういう。』ミル・ミリントン著 河出書房新社 (2005/02)
『ノーホエア・マン』アレクサンダル・ヘモン著 白水社 (2004/04)
『信頼』アルフォンソ・リンギス著 青土社 (2006/12)
その他
『翻訳文学ブックカフェ2』 新元良一著 本の雑誌社 (2007/10)
主なところはこんなものですね。
時間があれば原書と照らし合わせて読みたいです。ワクワク。
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『ナイン・ストーリーズ』と『NINE STORIES』2009.04.24 Friday
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さて、講談社英語文庫の『Interpreter of Maladies』【停電の夜に】が残り2編ぐらいになったので(遅すぎるって)、行きつけの図書館でまだ入ってない柴田元幸新訳『ナイン・ストーリーズ』(サリンジャー著)の翻訳本と同時にまたまた講談社英語文庫で『NINE STORIES』を買ってきました。
実は私にとって生まれて初めて翻訳の単行本を買いました(笑)
文庫本やペーパーバック版はありますけど。
少し余談ですが、サリンジャーと言えば先日、TBSドラマ『スマイル』の中で新垣結衣ちゃんが本屋で万引犯と間違えられるシーンがあるのですが、『ライ麦畑でつかまえて』を持ってましたね。
柴田元幸翻訳本と新潮文庫版(野崎孝訳)と少し読み比べましたが、やはり柴田さんの新訳の方が読みやすいです。
歯切れが良いのでしょうね、柴田さんの文章は。
帰って9編中1編だけ読みましたがいい感じですね。
ちなみに『ナイン・ストーリーズ』は35年ぶりの訳書らしいです。
原書は短編しか現状読めませんね。
実は『キャッチャー・イン・ザ・ライ』と迷ったのですが・・・
それも辞書を引かずに(笑)2ページほど読んで翻訳本と照らし合わせてますわ。
まあ翻訳本を2回読む感覚に近いですが。
新潮クレスト・ブックスの最新刊『最終目的地』の発売も間近で本当に月日の経つのは早いですね。
でも新潮クレスト・ブックスって高いよね。2520円です(汗)
この作品は映画も完成したらしいので読むの楽しみにしてます。
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講談社の本を買って図書カード当てましょう。2009.04.23 Thursday
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昨日『夕子ちゃんの近道』を買った時に応募券がついてました。
文春文庫の“いい男35冊フェア”に対抗じゃないのでしょうが、講談社が創業100周年記念として毎週抽選で100名様に1万円分のオリジナル図書カード(2000円分5枚セット)をプレゼントしている。
文藝春秋との違いは、感想を書かなくていいこと(笑)
ただし、応募券2枚を貼って送らなければなりません。
かなり応募数が多そうですが、全部で4500名当たるのでかなりの数ですよね。
気になる応募券ですが、今日本屋で見てきたところ、4月発売の新刊文庫にはついてますね。
あと、“講談社文庫の100冊”の帯がついているものもついてました。
雑誌にもついてるみたいでこれはサイトにてご覧ください。
http://kds100.jp/pc/
講談社文庫の100冊一覧
http://shop.kodansha.jp/bc/bunko/fair.html#fair1
単行本についてるかは確認し忘れました(汗)
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西加奈子著作リスト。2009.04.21 Tuesday
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関西の私立大学OBという共通点があるのと、飾らない文章がとっても共感しやすい西加奈子さん。
実は初期の3作品しか読んでませんが、応援したい作家さんです。
あと『きいろいゾウ』の文庫版で宮崎あおいちゃんが“いつの日にかツマを演じてみたい。”というコメントを寄せてましたね。
デビューのいきさつからして小学館のイメージが強かったですが、これからはどんどん他社からも出版されるでしょう。
作家の読書道はこちら
新潮クレストブックスもかなり読まれたみたいです。
小説&エッセイ
『ミッキーたくまし』[エッセイ] 筑摩書房 (2009/06予定)
『きりこについて』角川書店 (2009/04予定)
『うつくしい人』 幻冬舎 (2009/02)
『窓の魚』 新潮社 (2008/06)
『こうふくみどりの』 小学館 (2008/03)
『こうふくあかの』 小学館 (2008/03)
『ミッキーかしまし』[エッセイ] 筑摩書房 (2007/10)
『しずく』 光文社 (2007/04)
『通天閣』 筑摩書房 (2006/11)
『きいろいゾウ』 小学館 (2006/03)<2008/03文庫化> ≪既読≫
『さくら』 小学館 (2005/03)<2007/12文庫化> ≪既読≫
『あおい』 小学館 (2004/06)<2007/06文庫化> ≪既読≫
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『きいろいゾウ』 西加奈子 (小学館文庫)2009.04.21 Tuesday
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作者の西加奈子さんは1977年生まれ。昨年2作目の『さくら』がベストセラーとなったのは記憶に新しい。
本作が3作目となる。
読者である私達が普段、どうしても大切な人に伝えられなくてじれったい気分に陥ることってないであろうか。
少しのことで生じる気持ちのすれ違い、あるいはどうしても相手に聞く勇気が起こらないことなど。
人生は乗り越えなければならない試練がたくさんある。
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『ある秘密』 フィリップ・グランベール (新潮社)2009.04.20 Monday
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父と母は何か隠している……。ひとりっ子で病弱なぼくは、想像上の兄を作って遊んでいたが、ある日、屋根裏部屋で、かつて本当の兄が存在していた形跡を見つける。両親の秘密とは何か。ナチスによる弾圧と虐殺のはざまで、二人に何が起ったのか。一九五〇年代のパリを舞台にした自伝的長編。高校生が選ぶゴンクール賞受賞作。(新潮社HPより引用)
物語の冒頭から秘密の影はすでに現われている。読者はまず、その影を追うように物語へと引き込まれ、次第に、戦争や愛、そして深い絶望と孤独の中へ踏み込んでいく。ごく普通の一家の背後に隠されていた、人間の苦しみの全てを凝縮したような過去。それでも真実を受け止めようとする主人公の強い意志と、必死に生きようとする人々の姿が、容易に感動という言葉では語り尽くせないほどの切実なリアリティを持って、胸に迫ってくる。(裏表紙・作家島本理生さんコメント文引用)
<両親の秘密を通してあるひとりの少年が立派に成長する物語、戦争の痛ましさを分かち合える作品でもあります。>
『ちいさな王子』『赤と黒』(ともに光文社古典新訳文庫)の翻訳で著名な野崎歓訳。
この作品はわずか150ページあまりですが、内容的にはとっても密度の濃い作品だと言っても過言ではないでしょう。
最初、ファンタジー作品かなと思って読み進めたのですが、ずっとずっと深い物語でした。評価:
フィリップ グランベール
新潮社
¥ 1,680
(2005-11)
それでも、秘密を、知らなければならない。
じぶんをみつめる物語
小説家じゃなくて良かった!
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