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書店&寺社めぐり(京都2010/04第3回)2010.04.30 Friday
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さて2日目の後半(第3回)です。
初日(第1回)はこちら、2日目の前半(第2回)はこちら
三条京阪から何番系統のバスだったか忘れたけど乗車、印象的なのは村上春樹さんの『1Q84 BOOK3』をバスの中で立ち読みしてた人がいたことが世相を表してますね。
約15分揺られて銀閣寺道で降りる。
料金220円だから安いよね。
バス停を降り白川通今出川交差点を右折してしばらく歩くと哲学の道が見えます。
そしてさらに5分ほど歩くと銀閣寺の入口が見えてきます。
銀閣寺は社会人になってからは確か2回目で、通算5〜6回目ぐらいでしょうか。
清水寺ほどではないのですが、土産物屋が並んでいます。
銀閣寺に関してウィキより説明文を引用しますね。
“慈照寺(じしょうじ)は、京都府京都市左京区にある、室町時代後期に栄えた東山文化を代表する臨済宗相国寺派の寺院(相国寺の境外塔頭)。
正式名は東山慈照寺。山号は東山(とうざん)。開基(創立者)は、室町幕府8代将軍の足利義政、開山は夢窓疎石とされている。夢窓疎石は実際には当寺創建より1世紀ほど前の人物であり、このような例を勧請開山という。寺紋は五七桐[1]および二つ引両[2]。
足利義政が鹿苑寺の金閣舎利殿を模して造営した楼閣建築である観音殿は「銀閣」、観音殿を含めた寺院全体は「銀閣寺」として知られる。”(ウィキより引用)
まあ修復したての時期に見れたのはラッキーだったと思います。普段よりずっと観光客も多かったはずですわ。
銀沙灘(ぎんしゃだん)
洗月泉
お茶の井
高台からの風景
銀閣寺を後にして次は古書店巡りです、続きを読むを押してください。
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『夫婦一年生』 朝倉かすみ (小学館文庫)2010.04.28 Wednesday
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それもワンコインちょっとで。テンポのいい文章で読者を惹き付ける朝倉さんは流石ですね。
恋愛の延長線上で新婚生活を送っている青葉と朔郎、微笑ましくって嫉妬しちゃいました(笑)>
“結婚は、ひと昔前には、永久就職といわれていたらしい。その喩えを聞いたとき、そんなばかなと青葉は思った。永久とはまた大きく出たものだな。就職って、と鼻で笑った覚えがある。ところが、結婚してみたら、永久感は確かにあった。永久をやってやろうじゃないのと思う。”
<本文より引用>
『田村はまだか』に続き2冊目の朝倉かすみさん。
この人の特徴はやはりテンポの良い文章で多くの女性読者の共感を呼ぶところなのでしょうね。
ありきたりですが、それ以外に表現の仕様がないです(笑)
本作は青葉と朔郎の新婚カップルの1年を描いた作品ですが、北海道在住の作者のホームグラウンドである札幌が舞台となっております。
結婚して東京から札幌に転勤となって新天地で新婚生活を過ごす2人。
まあいろいろな問題が勃発しますが、基本はコミカルにそして適度にシリアスに描いてます。
このコミカルとシリアスの匙加減がとっても読者にとっては心地よいのですね。
作者の巧みなところは30歳過ぎのカップルを主人公に据えたところですね。
読者も本作の2人のように、いつまでもこのような初々しい気持ちというか思いやりを忘れずにというのはわかっているのですが、現実はそうですね、厳しい人が大半でしょうか(笑)
とくに印象的なのはやはり朔郎の両親、青葉にとっては義理の両親が札幌の2人を訪れて来る第5章ですね。
この章の青葉の微笑ましさと初々しさは特筆もので、読者は朔郎に対する愛情を否応なしに垣間見ることが出来ます。
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書店&寺社めぐり(京都2010/04第2回)2010.04.27 Tuesday
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さて2日目ですね(4/23)初日のレポはこちら都合により3回に分けてレポートしますね。
朝、7時ぐらいに目が覚めてシャワーを浴びる。
そして朝食ですがこれが美味しいクロワッサンなんですわ。
バイキング形式なのでかなり食べました。
カメラで撮ればよかったなと後悔しております。
一泊朝食付きで約6000円、この場所だったら安いと思います。
リピーターが増えそうなビジネスホテルでした。
9時20分ごろホテルを出て烏丸通りを北上、目指すは大垣書店の烏丸三条店です。
この店は大垣書店の中でもっとも大きいいわばフラッグシップ店ですね。
ちょうど時間帯的にサラリーマンやOLの出勤時間と重なりました。
みなさん大変ですね。
三条通りを過ぎてすぐのところにスタバとの複合店(と言っていいのかな)といっていい感じで出来てます。
それにしても、この烏丸通りスタバのようなショップがかなり多いです。
集客力あるのでしょうね。
開店が9時半からだったので一番乗りで入りました。
店はそうですね、ワンフロアーですが結構広いです。
まんべんなく色んな種類の本を揃えているという感じでしょうか。
京都を特集した本が多いような気もします。
でもここの場所(烏丸三条)はあんまり観光客は来ないような気がしますがどうなんでしょう。
ということで最も京都らしい本を買いました。あくまでも自分の考えですが(笑)
大垣書店烏丸三条店で買った本
★『鴨川ホルモー』 万城目学著 (角川文庫)539円 (5冊目、累計4934円)
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書店&寺社めぐり(京都2010/04第1回)2010.04.26 Monday
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4月22〜23日1泊で京都旅行してきました。
今回の目的は修復された銀閣寺とそして京都の新刊書店と古書店の訪問です。
2回3回に分けてレポートします。
2008年の京都旅行のレポートはこちらです。良かったら読んでやってください。
まずは初日の22日ですね。
仕事を早目に終えて、淀屋橋まで出て特急に乗りました多分17時50分発だったと思います。
18時50分過ぎに祇園四条に到着下車する。
四条通を河原町方面に歩く。
腹ごしらえということで粋な店も考えたのですが(笑)、ジュンク堂のBAL店の閉店が20時なので書店回らなければいけないので王将かそれともかっぱ寿司か迷いましたが、かっぱ寿司は河原町三条まで行かなければならないので王将の河原町店に入りました。
食べたものは笑わないでくださいね。
餃子3人前に天津飯、酢豚にそしてビール2本。2500円でお釣りが来ました。
ちょっと出来上がり状態で店を出て、河原町通りを北上、BALビルが見えます。
画像をポイントしてください。
ビルの5〜8階がジュンク堂京都BAL店ですね。そうです、B1にコミックコーナーもあったような。
この店はじっくり時間をかけて回る店ですが閉店間近のために時間がない(笑)
次に回るブックファーストとは対照的な店です。
本好きの人はジュンク堂支持者が多いんだろうな。
幸せな気持ちにさせてくれる店ですが実際は20分ぐらいしか見れませんでした。
記念にということで洋書を選んだのですが、買おうと思っていたジャネット・ウィンターソンの『オレンジだけが果物じゃない』は翻訳本を所蔵してなかったのでスティーヴン・ミルハウザーの『イン・ザ・ペニー・アーケード』を買いました。
パラパラ読んだところ文体がちょっと難解ですね。訳本なしには読めません(笑)
このレポを書いてる今も、この旅行でお土産すなわち本代をいくら使ったのか把握してないのでちょっと計算できるように記しますね。
ジュンク堂京都BAL店で買った本
★『IN THE PENNY ARCADE』 STEVEN MILLHAUSER (DALKEY ARCHIVE PAPERBACKS) 1376円(1冊目、累計1376円)
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『体の贈り物』 レベッカ・ブラウン著 柴田元幸訳 (新潮文庫)2010.04.24 Saturday
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原題"The Gifts of the Body"(1994)、柴田元幸訳。ラムダ文学賞、ボストン書評家賞、太平洋岸北西地区書店連合賞受賞作品。
文庫本の裏表紙のあらすじを引用させていただきますね。
食べること、歩くこと、泣けること・・・重い病に侵され、日常生活のささやかながら、大切なことさえ困難になってゆくリック、エド、コニー、カーロスら。私はホームケア・ワーカーとして、彼らの身のまわりを世話している。死は逃れようもなく、目前に迫る。失われるものと、それと引き換えのようにして残される、かけがえのない十一の贈り物。熱い共感と静謐な感動を呼ぶ連作小説。
レベッカ・ブラウンについてはこちらを参照してください。
私たち読者の誰もがいずれ訪れる“死”。
避けて通ることはできませんよね。
本作の登場人物はエイズで苦しんでいる人たちが綴られています。
余命はあとわずかのひとばかり。
死を目前にしたエイズ患者達が、自宅で少しでも快適に過ごせるように料理や掃除などをサポートするのが“私”の主な仕事です。
淡々と語られている本作は主人公である“私”の葛藤の物語でもあると思う。
“私”はそうですね、患者と世話人という関係というよりも、人として真摯に向き合っている姿が印象的です。
“私”がいかに葛藤しているかを噛みしめて読み込むことができれば、本作をほぼ理解できたと言えるでしょう。
本作が日本人作家の作品との大きな違いは次のように思う。
それはいわゆる日本人得意というか特有のこれでもかという“お涙頂戴的作品”とは全然違うんですよね。
読者自身もいずれ自分の身に起こる“死”を予期し感じつつも、生きるということの素晴らしさをあらためて実感する作品なのです。
読後、他人に対して今までよりも少しでも優しく接することができるような気がする、不思議な効能のある作品です(笑)
それにしてもレベッカ・ブラウンという人はまなざしが優しい人ですね。
語り手の“私”がまるで作者自身のような気がして読まれた方が多いのでしょう。
なんとか安らかに旅立たせてあげようと努力するひたむきな気持ちを描いた手腕に恐れ入りました。
元来、本作のようなテーマの話は絶望的な話になりがちなんだけど、勇気と希望を感じ取れる読後感のいい物語でした。
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今日買った本(昨日と合算)。2010.04.23 Friday
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京都で2日間合計13冊買いました。
内訳
洋書1冊(新品)
文庫本・新書5冊(新品)
文庫本7冊(中古)
★新品
『IN THE PENNY ARCADE』 スティーヴン・ミルハウザー著(原書)
『拳闘士の休息』 トム・ジョーンズ著 岸本佐知子訳 (河出文庫)
『ビギナーズ』 レイモンド・カーヴァー著 村上春樹訳 (中央公論新社)
『桐畑家の縁談』 中島京子 (集英社文庫)
『鴨川ホルモー』 万城目学 (角川文庫)
『ねにもつタイプ』 岸本佐知子 (ちくま文庫)
★中古
『さようならコロンバス』 フィリップ・ロス著 (集英社文庫)≪絶版≫
『素晴らしいアメリカ野球』 フィリップ・ロス (集英社文庫)≪絶版≫
『存在の耐えられない軽さ』 ミラン・クンデラ (集英社文庫)
『テス(上・下)』 トマス・ハーディ (岩波文庫)≪絶版≫
『ハーディ短編集』 トマス・ハーディ (新潮文庫)≪絶版≫
『オコナー短編集』 フラナリー・オコナー (新潮文庫)≪絶版≫
詳細レポは月曜日あたりにアップしますね。
とにかくかなり歩きました(笑)
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昨日買った本。2010.04.23 Friday
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ビギナーズ レイモンド・カーバー著 村上春樹訳
イン・ザ・ペニー・アーケード ミルハウザー著 原書拳闘士の休息 トム・ジヨーンズ著 岸本佐知子訳
桐畑の縁談 中島京子
以上4 冊詳細は後日
京都四条室町から。
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今日買った本、そして京都旅行。2010.04.21 Wednesday
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文庫本3冊、bk1で買いました。
★『家庭の医学』 レベッカ・ブラウン著 柴田元幸訳 朝日文庫
この作品はノンフィクションみたいです、これでブラウンの文庫は4冊とも揃えました。
★『燃えるスカートの少女』 エイミー・ベンダー著 菅啓次郎訳 角川文庫
角川文庫の翻訳ものは買ったことあったかな。ないかもしれませんね。
この作品面白そうです。
★『フランク・オコナー短篇集』 フランク・オコナー著 阿倍公彦訳 岩波文庫
フランク・オコナー国際短編賞を受賞した村上春樹やジュンパ・ラヒリで一躍脚光を浴びて翻訳文庫化された短編の名手の作品集です。
明日の夕方から京都に一泊旅行行ってきます。
予定では初日は四条烏丸のホテルで宿泊。
出来れば木曜の晩と金曜日の午前中に京都の新刊大型書店を回ります。
候補店は四条界隈では紀伊國屋書店、ブックファースト、ジュンク堂(四条&BAL店)、そして三条ですが大垣書店あたり、そして京都駅界隈では三省堂、そしてアバンティあたりですね。京都駅は帰りになるかもしれませんが(笑)
そして改装になった銀閣寺に行ってきます。
そのあとは古書店ですね。
こちらも予定では善行堂、そしてガケ書房ですね。
この2店は銀閣寺の近くです。同志社の近くのはんのきも出来れば行きたいですね。
ちょっと久々の京都、満喫してきます。
慌ただしいですが(笑)
今回はレポート書く予定ですのでまた読んでやってください。
そうそう、旅のお供本は『善良な町長の物語』 アンドリュー・ニコル著です。
それではまた。
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『オレンジだけが果物じゃない』 ジャネット・ウィンターソン著 岸本佐知子訳 (国書刊行会)2010.04.19 Monday
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日本人的な発想で見れば、通常書きにくいことをよく書いたなと思うのですが、作者の才能は陳腐なそういった見方を超越して、読者の心の中にいつまでも根ざすであろう勇気を与えてくれる作品です。さあ、未読の方、とりわけ女性の方是非ご一読あれ。>
原題 "ORANGES ARE NOT THE ONLY FRUIT"(1985)、岸本佐知子訳 。国書刊行会の文学の冒険シリーズの一冊。
まず単行本の裏表紙のあらすじを引用させていただきますね。
<たいていの人がそうであるように、わたしもまた長い年月を父と母とともに過ごした。父は格闘技を観るのが好きで、母は格闘するのが好きだった・・・>
(単行本背表紙から引用)
熱烈なキリスト教徒の母親から、伝道師になるための厳しい教育を叩き込まれた少女ジャネット。幼いころから聖書に通じ、世界のすべては神の教えに基づいて成りたっていると信じていた彼女だが、ひとりの女性に恋したことからその運命が一転する・・・。
『さくらんぼの性は』の著者が、現代に生きる女性の葛藤を、豊かな想像力と快活な諷刺を駆使して紡ぎ出した半自伝的作品。
“何もかも、わたしが間違った種類の相手を愛してしまったことに端を発しているらしかった。いや、わたしの愛した人たちに“間違った”ところなど一つもなかった、ただ一点を除いてはーーー女が女を愛すると、もうそれだけで罪になるのだ。”
(本文より引用)
<2010年3月 MONTHLY BEST作品>
またまた素晴らしい作家に邂逅しました。
ウィンターソンのことはこちらに詳しく書いてます。
この作品を私なりのとってもありふれた言葉で表現すると、“構成、内容ともにパーフェクトな作品”ということになります。
いわゆる国内のベストセラー作品は多少評判が悪くとも、情報量も多いがゆえに手にする機会が多いであろう。
だが本作のようにたとえイギリスのベストセラー作家であろうと、知名度に関しては国内作家のそれと比べて著しく劣ることは否めず、ましてや原書が刊行されて25年、邦訳されて8年も経つ作品となれば、ささやかながらでもインターネットいう便利な媒体を通じてその魅力を伝えたいと思うのです。
あらすじは前述したとおりなのですが、読んでいくにあたってポイントはありますね。
わたしがもっとも頭に入れて読み進めたポイントは、やはり主人公のジャネットと猛烈な母、このふたりの血が繋がっていないという点ですね。
私的にはすごくこのことを重要視しています、これは日本の作家が同じような内容を書けばそんなに共感出来ないのでしょうが、この作品における母親のシチュエーション(養母、そして猛烈なキリスト教の信者であること)からして、一部非難の声が上がることを認めつつも、深い愛情を持って育てているんだなという気持ちが伝わってくるのですね。
そして読まれたすべての方が同じように感じるであろう各章にちりばめられた寓話の数々ですね。
この構成は読む者の心を和ませるとともに、すごく印象深い読後感が強烈に残ります。
もし、この寓話の挿入がなければこの作品自体もっと堅苦しく感じたのだと私は推測しています。
明らかに本筋は自伝的な作品なのですが、寓話を挿入することによってユーモア性とそして作品の内容自体に深みを与えていますね。
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