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『僕等がいた』(前・後篇) (2012年日本映画)
三木孝浩監督作品。
北海道と東京を舞台とした青春ラブストーリー。

前編は高校生時代の話がメインで演じている俳優の年齢からして少し違和感がありましたが、笑った時のエクボが可愛い吉高由里子のおかげでなんとか観終わることが出来ました。やはり映画やドラマはキャストですね。後編は離ればなれになった2人がどうなるか、大体の予想はつきますが“恋愛映画の王道ストーリー”を堪能したいと思っています。

そして後編、余談から書くと宮崎あおいファンの私には、元夫(高岡)の役柄とのギャップが少し鼻につきましたが、内容的には主演二人のお互いを思いやる気持ちが十分に表れてて良かったと思います。元仮屋ユイカのちょっと暗くて真面目な役を好演していたのが印象的ですが、男性目線で観れば、我儘で時に強情、とらえどころのない可愛さが魅力的であるはずの吉高由里子が一途でまっすぐな役を演じ切ったところは新たな彼女の魅力を発見したような気がします。生田斗真も内に秘めた優しさが十分に出ていた気がして後年、主演二人の代表作として語り継がれる作品であると思います。
少し傍観者的な見方をすれば、ラストはもう少し悲しく終わった方がインパクトが大きかったような気もしましたが、わざわざ劇場にお金を出して観に行く人たちのことを前提とすれば納得の行く内容であったとも言えます。
わざわざ前後篇に分け、いわゆるコマーシャリズムに乗り過ぎている感の強い作品ともとらえられがちかもしれませんが、キャストや内容的には十分に満足できる作品であったと思います。

そう“恋愛は人を成長させる”のが画面を通して伝わったのです。
観られてない方は是非ご覧になってください。

面白い(8)
posted by: トラキチ | DVD(国内) | 19:36 | comments(0) | trackbacks(0) |-
『ツナグ』 辻村深月 (新潮文庫)
評価:
辻村 深月
新潮社
¥ 662
(2012-08-27)

初出"yomyom" 、2010年10月単行本化により加筆訂正、2012年9月文庫化。
 
吉川英治新人文学賞受賞作品。決して辻村さんの良い読者ではない私ですが、本作を通して作者の確かな力量を感じ取ることが出来ました。
抽象的な表現であるが、作家として読者に1.夢を与える、2.現実を知らしめる、3.生きること(命)の尊さを教える・・・以上の3点が伝わって来ました。
5編からなる連作短編集の形をとっていますが構成が素晴らしいのです。
物語の配置としての構成と、そして使者である歩美と親友の心得で登場する歩美と女子高生との関係とのバランスが絶妙です。

1〜4編目にて依頼人4人が登場しそれぞれの依頼人の視点から描かれます。そして最終章では使者である歩美の視点から語られ、使者となったいきさつを含めた彼のバックボーンと1〜4話の話をより深く掘り下げることにより読者により一層の感動をもたらせてくれます。
ジュンヤワタナベのコートを着ていることぐらいしかわからなかった歩美ですが、凄い過去を背負っていたのです。
それぞれの話の種明かしというか裏事情が語られ読者はなるほどこう言ったことだったのかと思わずにいられません。

一番読み応えのあるのはやはり女子高生の友情の話でしょうね。最終編での“伝言”についてのくだりはハッとさせられます。
少し曖昧で決してハッピーな終わり方でないところが却って心に残りますが、私は背負ったものが大きい嵐ちゃんにも深く同情します。
それはやはり彼女の生きていくことの厳しさを少しは感じ取ったからかもしれませんね。
あとは歩美の両親の死に関する真相が最後にあきらかにされるシーンも印象的ですね。

私たち読者は物語の登場人物である依頼人を自分に置き換え、そして自分だったら誰と会うだろうかということを考えてしまいます。
簡単に選べる人もいるでしょうし、そうでない人もいますよね。
それを考えることが生きているという証しでもあると思いますし、本作を読むことによって自ずから生きるということはどんなことか考えてしまう機会を与えてくれているのです。

人間誰しも後ろめたい気持ちを持っていて、この作品はちょっと言葉が適切かどうかわかりませんが、その後ろめたさを緩和してくれるような効能があるような気がします。
原作が素晴らしいのでどのように描かれているか映画も観たいですね。
本多孝好さんの印象的な解説も見事のひとことにつきます。
さすがプロですね。

評価9点。
posted by: トラキチ | 辻村深月 | 23:29 | comments(0) | trackbacks(0) |-
『中国行きのスロウ・ボート』 村上春樹 (中公文庫)
7編からなる村上氏最初の短編集。発売が1983年5月なので来年でちょうど30年となる。この作品の感想を端的に示してくれる言葉が本文にあるので引用する。“「誰も読まないでしょう。三十年か四十年経っても読む価値のある本なんて百冊に一冊です」”冒頭に敢えて作者より1〜4編目と5〜7編目のあいだには一年近くのブランクがあるいう言葉があり、なんとなくであるが作品としてのバランスと言うか完成度としては差があると感じた。最初の4編はなんとなく作者自身が試行錯誤的というか内容が実験的であるような気がするのである。

しかしながらところどころにいつまでも読者の脳裏に焼き付けられるエピソードがあることも忘れてはいけない。
表題作での女の子を山手線を逆に乗せてしまったことや「貧乏な叔母さんの話」での帽子を取られた女の子のエピソードなど。
喪失感や絶望感を巧みに表現できた「午後の最後の芝生」「土の中の彼女の小さな犬」、そしてラストのもっとも寓話的で楽しい「シドニーのグリーン・ストリート」の3作品からなる後半3編は本当に圧巻で作者ではなく主人公の試行錯誤ぶりが読者に伝わってくる感じが強い。

個人的なベストは「土の中の彼女の小さな犬」。預金通帳を埋めた話のエピソードと主人公が女性に手の匂いをかがせてもらうシーンはドキッとさせられました。

少し余談となりますが短編集『象の消滅』に収められている表題作はリライトされたものらしいです。
ノーベル文学賞受賞出来るかどうかわかりませんが、発表の日にこの作品の感想を書けて幸せに思う。

評価8点。
posted by: トラキチ | 村上春樹 | 01:00 | comments(0) | trackbacks(0) |-
『空より高く』 重松清 (中央公論新社)
評価:
重松 清
中央公論新社
¥ 1,575
(2012-09-24)

しかし、社会には、世の中には、ダシが必要なんです。一人ひとりが、たとえ目立つことはなくても、それぞれの人生を一所懸命に生きていくことで、いいダシが出るんです。ダシの利いていない世の中は、ほんとうに薄っぺらで、底の浅いものです
(本文より引用)

初出 讀賣新聞夕刊(2005年3月〜11月)単行本化に際し大幅に加筆。

久々に手にとった重松新刊作品。重松作品、以前は発売日に買って胸を高鳴らせながら読んでいたのが本当に懐かしく思いました。
廃校が半年後に迫ったニュータウンにある東玉川高校、通称トンタマで学ぶ高校生四人組の半年間を綴った物語。
例えば近年の重松作品の傑作と言われている『とんび』のように圧倒的な感動を求めて本作を手に取ると肩すかしを喰らうかもしれない。
重松さんの他作のようにある問題提起(たとえばリストラやいじめ)を読者に投げかけるとか、そういうスタンスで書かれた作品じゃなく、いろんな問題(社会的な問題、家族の問題、恋愛)を重松さんなりに人生の通過点として青春小説として無難にまとめた作品のような気がする。
上記以外の登場人物でもっとも個性的であると言えるジン先生のキャラもそんなに際立ったものだと思えないが敢えてそう書いているのでしょう。
そのあたり新聞連載ということも影響しているのかなと思ったりもする。

紅一点のムクちゃんはネタローにはもったいないような気がすることをつけ加えておきたい、男性読者の方是非確かめてください(笑)
重松さんの作品の中では爽やかな作品だと言えるかもしれないが、多少主人公であるネタローがはっきりしない奴だなと思って読んだ読者も多いだろうと推測する。
ただ、仲間の大切さを謳っている点では読者に伝わることは間違いのないところであり、涙頂戴なしでも筆力の高さを窺い知ることはできますがたとえば重松作品を20冊以上読まれているような方には物足りないと感じるかリラックスして読める作品なのでしょう。
作中で何度も使われる“レッツ・ビギン!”という言葉に集約されるように、どちらかと言えば、中年読者が過去を懐かしく振り返るような作品と言うより、若くて夢のある読者の背中を押してくれる作品だと言えそうですね。
私は少しビターで爽やかな青春小説としてまずまずの評価をしたいと思う。
そして未読の重松作品も手にとりたいなと思っています。

評価7点。
posted by: トラキチ | 重松清 | 16:20 | comments(0) | trackbacks(0) |-
『なくしたものたちの国』 角田光代 松尾たいこ (集英社)
評価:
角田 光代
ホーム社
¥ 1,680
(2010-09-24)

名作『Presents』に続く松尾たいことのコラボ作品。正直『Presents』のように誰が読んでも感動できるような作品ではないような気がします。それはやはりファンタジー的要素が強いために角田さんお得意の“身につまされつつも読者にちっぽけではあるが、かけがえのない夢を見させてくれる”話ではないからだと思います。一話一話完結した話じゃないのも原因かもしれません。ただ読む人によってはいつも手元に置いて読む返せるようにしたい本だと言え、大きな夢を見させてくれる物語であるのかもしれませんし、他作とは違った新たな角田さんの魅力が全開した作品と捉える方がいても何ら不思議ではありません。
その手元に置いて読み返したいという衝動に駆られる読者には松尾たいこさんの素敵な絵が大きな役割を担っていることは間違いのないところ。
松尾さんの絵を見て、そこから物語が始まったということがあとがきに書かれている。

体裁的には連作短編集と言った感じで五編が綴られ、主人公の女性雉田成子の小学生時代から中年にさしかかるぐらいまでが描かれています。
まずは会話の出来るヤギが登場し度肝を抜かれるわけですが、それぞれの話、うしなったものに対するいろんなエピソードが書かれ、そして人間として一女性として成長を遂げて行くのですが、最終編での再会と言うまとめ方はやはり作者の筆力の高さを認めざるをえないと言えましょう。
ゆきちゃんとの再会によって自分の過去を振り返り、そして明日を見つめて前進して行く姿は本当に微笑ましいです。
個人的にはタイトルの“なくしたもの”というよりも自分自身の現在過去を問わず“見失ったもの”を見つめなおす機会を与えてくれた読書であった。
私にとってはやはり“現実感溢れる作家”で、そこを掬い取ることを目的として読んでいるんだなと改めて気づかせてくれました。

評価8点。
posted by: トラキチ | 角田光代 | 20:25 | comments(0) | trackbacks(0) |-
2012年9月に読んだ本。
2012年9月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2173ページ
ナイス数:341ナイス

なくしたものたちの国なくしたものたちの国感想
名作『Presents』に続く松尾たいことのコラボ作品。正直『Presents』のように誰が読んでも感動できるような作品ではないような気がします。それはやはりファンタジー的要素が強いために角田さんお得意の“身につまされつつも読者にちっぽけではあるが、かけがえのない夢を見させてくれる”話ではないからだと思います。一話一話完結した話じゃないのも原因かもしれません。ただ読む人によっては大きな夢を見させてくれる物語であるのかもしれませんし、他作とは違った新たな角田さんの魅力が全開した作品と捉える方がいても(続く)
読了日:9月30日 著者:角田 光代
虚空遍歴 (下巻) (新潮文庫)虚空遍歴 (下巻) (新潮文庫)感想
正直、最後まで読み切るのに辛くって息苦しい作品でした。それがこの作品の完成度の高さを物語っています。 「人間の価値はなにを為したかではなく、何を為そうとしたかだ」 この作品のテーマそして内容を凝縮した言葉であります。 浄瑠璃の世界を語っていますが、現代の私たちにも当てはまる普遍的な内容だと思います。 司馬遼太郎の作品に出てくる実在し何かを成し遂げた立志伝中の人物ではなく、何かを成し遂げようと必死にもがきながら生きた人物を描いた本作は“人生なにもかも上手く行くものじゃない”と言うことを知っている大半の読者
読了日:9月28日 著者:山本 周五郎
虚空遍歴 (上巻) (新潮文庫)虚空遍歴 (上巻) (新潮文庫)感想
山本周五郎の三大長編(樅の木は残った、ながい坂、本作)の中ではもっとも地味ではあるが主人公への共感度ではもっとも高い作品だと言える。武士の身分を捨てて浄瑠璃の世界へと身を投じる沖也。いろんな逆境を撥ね退けて成長していくのですが、なんといっても彼に想いを寄せるおけいの存在が圧巻。彼女の独白シーンは読者もとびきり胸を高まらせて読むことを余儀なくさせられます。本妻のお京が気の毒に思いながらも少しずつ体の具合が悪くなっていく主人公を自分自身に置き換えつつめくるページが止まらない読書となりました。
読了日:9月22日 著者:山本 周五郎
浮世の画家 (ハヤカワepi文庫)浮世の画家 (ハヤカワepi文庫)感想
飛田茂雄訳。イシグロの2作目にあたる作品でウィットブレッド賞受賞作。 戦後まもない日本が舞台の作品で、戦争を挟んで時代の流れとともに価値観が変わっていく世の中を主人公である元画家の小野が現実とを重ね合わしながら過去を回想する物語。 主人公に対しては家族に対する思いやりという点においては読みとることが出来たのが救いであるが、『日の名残り』の主人公のような人間としての矜持は感じなかったがそれは舞台が日本であるからかもしれないし、確固たる意志のある言葉で綴ってなく曖昧さが漂っているのも要因だろう。
読了日:9月16日 著者:カズオ イシグロ
わがタイプライターの物語わがタイプライターの物語感想
絵 サム・メッサー/訳 柴田元幸。 小説というよりもどちらかと言えば画集と言った方が適切だと言える作品。 1974年以来、長年使っているオースターのタイプライターを見染めたサム・メッサーの絵が素晴らしい。ずっとタイプライターを使っているオースターの人となりと愛着が窺い知れますし、彼の性格をわかった上でメッサーがタイプライターを見染めたのは間違いないでしょう。作者とともにいろんなところ(東京、パリなど)を旅したオリンピア製のタイプライターの何枚もの絵が素晴らしいのですが(続く)
読了日:9月14日 著者:ポール・オースター
ストーリー・セラーストーリー・セラー感想
妻が作家(書く側)で夫がそのパートナー役(読む側)である2組の夫婦の悲しい物語。 悲しいと書きましたが結末が悲しいだけで、それよりも愛に満ち溢れているシチュエーションを楽しむべき話だと思います。 とりわけ、2人の出会いや好きになって付き合うまでに至った過程の描写が印象的で胸に突き刺さります。 このあたりベストセラー作家の有川さん、読者のツボを押さえていますね。 常に読む側の人の意識を念頭に入れて書かれています。 そしてテンポの良い文章は現在この人の右に出る人はいないんじゃないかなと思います。(続く)
読了日:9月11日 著者:有川 浩
つるかめ助産院 (集英社文庫)つるかめ助産院 (集英社文庫)感想
NHKドラマ原作。ドラマほど主人公(仲里畏紗主演)のキャラは立っていませんが、却って読者に訴えかけるところが強いような気がします。 小川さんの作品はすべてを失った人が再生して行くというパターンが多いのですが、本作もそれに近い感じで物語が始まります。 タイトル通り、助産院の話で(南の島での)、主人公まりあがつるかめ先生はじめ過去を引きずっても強く生きている周辺の人に触れ合って再生して行く過程が心なごみます。 愛だけでなく命の尊さも謳ったところが凄いですね。 もっと言えば女性の生き方を問う作品でもあります。
読了日:9月7日 著者:小川 糸
マーティン・ドレスラーの夢 (白水Uブックス)マーティン・ドレスラーの夢 (白水Uブックス)感想
柴田元幸訳。ミルハウザーの作品は3作品目になりますが長編は初めてで、ピュリツアー賞を受賞作品と言えども少し評価が微妙というのが率直な感想。 20世紀初頭のニューヨークにて驚異的なホテルを次々と建て、アメリカンドリームを成し遂げたマーティンのお話なのだが、伝記風に淡々と語っているので心情が薄くて感情移入しにくかった感じですね。もちろんミルハウザー特有の精緻で緻密な面(とりわけホテルに関する具体的な描写)も織り込まれているのですが。
読了日:9月2日 著者:スティーヴン ミルハウザー

読書メーター


あまり読めませんでした、10月は頑張って12冊ぐらい行きたいですね。
MONTHLY BESTは『虚空遍歴』(上・下)です。
改めて感想綴りますね。
posted by: トラキチ | 月刊読了本&予定本 | 23:58 | comments(0) | trackbacks(0) |-