Search
Calendar
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< March 2013 >>
Sponsored links
徘徊ブログ
読書メーター
トラキチの今読んでる本
あわせて読みたい
あわせて読みたいブログパーツ
最近読んだ本
トラキチの最近読んだ本
鑑賞メーター
トラキチの最近観たDVD
New Entries
Recent Comment
Recent Trackback
Category
Archives
Profile
Links
mobile
qrcode
RSSATOM 無料ブログ作成サービス JUGEM
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

posted by: スポンサードリンク | - | | - | - |-
2013年2月に読んだ本。
2013年2月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2628ページ
ナイス数:772ナイス

窓の向こうのガーシュウィン窓の向こうのガーシュウィン感想
初出 小説すばる。 主人公の19歳の佐古は未熟児として生まれるも保育器に入れられずに育ってしまいます。高校を出て就職するもその会社が倒産し、訪問ヘルパーとして働き始めます。 世の中は後出しじゃんけんに満ちている。真面目にかつ誠実に生きる人に救いをもたらす物語。 いつもの宮下作品とはちょっと違って、胸のすく思いを求めてはいけないんだけど、また違った方向性を示してくれた作品である。 グッとくるところは少ないんだけど、他の作品と一線を画するという意味合いにおいてはとっても印象的なターニングポイントとなる作品。
読了日:2月28日 著者:宮下 奈都
旅屋おかえり旅屋おかえり感想
初出 レンザブロー。 主人公であり元アイドルの“おかえり”こと岡林恵理子、今はスポンサーから契約を切られ“旅屋”にと成り下がってしまうのですが、彼女には旅が好きであるという信念があるのですね。 これは故郷にも戻らないほどの強い信念であって、彼女の崖っぷちの人生を助けます。 原田さんの作品って読者に“気持ちよく本を閉じさせること”を念頭に置いて書かれていると思ったりします。 よく“極上のエンターテイメント”という褒め言葉がありますが、ちょうどその言葉が作者の作品、とりわけ本作には似つかわしいと思う。
読了日:2月27日 著者:原田 マハ
ワーキング・ホリデー (文春文庫)ワーキング・ホリデー (文春文庫)感想
坂木さんらしいハートウォーミングなひと夏の父と息子の物語。 父と息子とはいえ、本作では急に子供であると宣言されます。 元ヤンキーでホストの大和と、とっても出来た11歳の息子の進。 ホストから宅配便へと転職することによって物語は動き始めます。 最初違和感のあった2人ですが、徐々に絆が深くなっていくのはまあ予定通りと言えばそうなのですが、心地良いですよね。 テンポの良い文章と、脇を支えるサブキャラの充実ぶりが楽しい読書を約束してくれます。 映画化もされたみたいでこれは面白いかも。
読了日:2月25日 著者:坂木 司
ブラックボックスブラックボックス感想
初出 週刊朝日、加筆訂正あり。 久々の篠田さんですが、やはり読者にとってリアリティのある話を書かせたら上手いです。 テーマが食べるものということがとっても身近で、なおかつ恐ろしくなってきますが、とりわけスーパーのカット野菜やコンビニのサラダなどを普段から手に取っている読者なら今後躊躇われる方が多いんじゃないでしょうか。 主な登場人物は中学の同級生3人で工場で働く栄美をはじめ魅力的な人物はなく、どちらかと言えば巻き込まれてもがいていく人物ということで割り切って読むことが必要です。
読了日:2月22日 著者:篠田節子
四十九日のレシピ (ポプラ文庫)四十九日のレシピ (ポプラ文庫)感想
ひとことでいえば読後ほっこりと温かい気持ちに浸れる作品。 現実的ではない話なんだけど、百合子が亡継母である乙美を慕っているのはやはり百合子も子宝に恵まれなかったということが影響しているのだろうか。 良平と百合子の父娘が交互に語って物語が進行して行き、男性読者が読めば主人公は良平、女性読者が読めば百合子が主人公として読めることだと思います。 四十九日という葬式のあとの節目の儀式を通して人と人との繋がりの大切さをくっきりと描いています。 現在の自分の居場所が不安な読者には必ず背中を押してくれる作品であります。
読了日:2月18日 著者:伊吹 有喜
嘆きの美女嘆きの美女感想
初出 AERA-net、「耶居子のごはん日記」は書き下ろし。 ドラマ化の影響で柚木さん初挑戦しました。 男性読者からしたら傍観者的な立場で読めるので決して共感できる作品ではありませんが、まるで劇画の世界のようなストーリーの展開が楽しいです。 一言で言えば世の女性たちへの応援歌的作品と言えばいいのでしょう。 誰もがもっている“耶居子的”及び“ユリエ的”要素を見事にカタルシス一杯に描き物語が進行します。 知らず知らずのうちに耶居子が凄く成長してるのが圧巻です。美女だからといって良いことばかりではないですよね。
読了日:2月15日 著者:柚木 麻子
生きるぼくら生きるぼくら感想
初出 日本農業新聞。 読者にとって今度はどのような物語に浸れるのであろうという期待感がとっても大きい原田さんの作品。 それはクセのない流れるような文体と読者の心を満たせてくれる内容が伴っているからでしょう。 本作は典型的な自己再生の物語ですが、私たちが日頃当たり前のように食べている主食である“米”の大切さも謳っています。 特筆すべき点は現代日本の抱える両極の問題を描いている点ですよね。 主人公である人生の“いじめ→ひきこもり”問題と、マーサに息子と間違われる大学生純平の就職難の問題ですよね。 (続く)
読了日:2月10日 著者:原田マハ
螢草螢草感想
初出 小説推理。 何作品か葉室作品を読ませてもらってますが、本作は最も読みやすくて爽やかな物語に仕上がっています。 武家の出でありながらわけあって女中として奉公する主人公である菜々の健気な性格が印象的。 父の仇を討つために、そして奉公先の主人を助けるために困難に立ち向かって行きます。 奉公先の妻である佐知とは本当の姉妹のように仲が良く、残された二人の子供にとってベストの収束のように思えます。 一番幸せなのは市之進であると確信しています。なぜなら天国の佐知も喜んでくれているからです。
読了日:2月5日 著者:葉室 麟

読書メーター


遅ればせながらアップします。感想いつものように途切れていますがご容赦を。

各作品の10段階評価は以下の通りです。
『螢草』 葉室麟 8点
『生きるぼくら』 原田マハ 9点
『嘆きの美女』 柚木麻子 7点
『四十九日のレシピ』 伊吹有喜 9点 <MONTHLY BEST>
『ブラックボックス』 篠田節子 8点
『ワーキング・ホリデー』 坂木司 8点
『旅屋おかえり』 原田マハ 9点
『窓の向こうのガーシュウィン』 宮下奈都 7点

MONTHLY BESTは『生きるぼくら』『旅屋おかえり』『四十九日のレシピ』の三つ巴でしたが僅差で『四十九日のレシピ』とします。
伊吹さんはまだ3作しか上梓してないので早くコンプリートしたいですね。
葉室さんは毎月1冊弱新刊が出てるのでコンプリートするには月に2冊ぐらい読む必要があります(汗)
四月は時代小説を中心に読もうと思っています。
posted by: トラキチ | 月刊読了本&予定本 | 19:57 | comments(0) | trackbacks(0) |-
『窓の向こうのガーシュウイン』 宮下奈都 (集英社)
初出 小説すばる。 主人公の19歳の佐古は未熟児として生まれるも保育器に入れられずに育ってしまいます。高校を出て就職するもその会社が倒産し、訪問ヘルパーとして働き始めます。
世の中は後出しじゃんけんに満ちている。真面目にかつ誠実に生きる人に救いをもたらす物語。
いつもの宮下作品とはちょっと違って、胸のすく思いを求めてはいけないんだけど、また違った方向性を示してくれた作品である。
グッとくるところは少ないんだけど、他の作品と一線を画するという意味合いにおいてはとっても印象的なターニングポイントとなる作品である。

驚いたのはそうですね、情けない(?)お父さんの登場シーンでしょうか。これは佐古が横江さん一家と親しくなることに呼応したように戻って来ます。
そして私がもっとも感じたのは普通の準が凄く佐古さんに対して劣等感を抱いているところですね。
本来は逆なのですが、佐古さんが額装のお手伝いをすることによって立派に成長して世界が変わったのです。
誰もが多少なりとも自分自身に欠けているものを自覚しているのであろう、少なくとも主人公のように明確なものでなかろうとも。
ただ作者は器用な言葉を使って読者に説明しています、それは“物差し”という言葉です。ふと自分は物差しを持ち過ぎなんじゃないかと思われた読者は多いはずです。ふと主人公を見習わねばという気持ちにさせられるところが一番の読ませどころなのでしょう。

読者が本作のような作品を求めているかどうかは別として、他作と違った評価をすべきだと思ったりします。作家というのも難しい商売ですねと改めて感じた作品でした。
エンディングんのまとめ方はいい意味で宮下さんらしかったとつけ加えておきたい。
晴れやかなとは言いませんが、物語の内容に伴った光明がもたらされた終り方だったと感じました。
再読すればもっと理解を深めることができるとは思います。

(読了日2月28日)

評価7点
posted by: トラキチ | 宮下奈都 | 10:40 | comments(0) | trackbacks(0) |-
『旅屋おかえり』 原田マハ (集英社)
評価:
原田 マハ
集英社
¥ 1,470
(2012-04-26)

初出 レンザブロー。
主人公であり元アイドルの“おかえり”こと岡林恵理子、今はスポンサーから契約を切られ“旅屋”にと成り下がってしまうのですが、彼女には旅が好きであるという信念があるのですね。
これは故郷にも戻らないほどの強い信念であって、彼女の崖っぷちの人生を助けます。
原田さんの作品って読者に“気持ちよく本を閉じさせること”を念頭に置いて書かれていると思ったりします。
正直、ご都合主義的な部分も否めませんが、それを承知の上で読者がページを捲ってくれていると信じて作者は執筆しているのでしょう。
よく“極上のエンターテイメント”という褒め言葉がありますが、ちょうどその言葉が作者の作品、とりわけ本作には似つかわしいと思う。
そして他の作家との違いは、伸びやかな文章と正統派と言って良い王道的な着地点のつけ方。
心地良く本を閉じれること請け合いです。

本作は二部構成と言っても過言ではないのですが、どちらも甲乙つけ難い素晴らしいお話です。
前半は“旅屋稼業が始まる最初の依頼の話ですが、カメラ好きで東京に出て年上の女性と知り合い田舎に戻っている玉肌温泉の主人の話が結構泣けます。
そして後半の話はスポンサー再契約を試される話で、何と言っても社長の気持ちがとっても切なく、過去の娘の死のいきさつやラスト近くで露わにされる彼の行動は理解できます。

原田作品の登場人物は読者自身の現実を見つめなおす機会を与えてくれます。
たとえば男性読者が読めば社長の気持ちもよくわかりますし、前半部分の真弓さんの父親の気持ちもよくわかります。
そして男性心理を巧みに演出して見せる作者の腕前にも“ヤラレタッ”とにんまりさせられるのですね。
本作に関しては、特に病気や死に直面し、いわゆる命”に関与した話も多いので感動しながらも胸のすく結末を堪能できます。
作者の凄いところは“泣けるんだけどもそれ以上に爽やかな作品を書ける”点であると思います。

(読了日2月27日)

評価9点
posted by: トラキチ | 原田マハ | 10:25 | comments(0) | trackbacks(0) |-
『ワーキング・ホリデー』 坂木司 (文春文庫)
坂木さんらしいハートウォーミングなひと夏の父と息子の物語。
父と息子とはいえ、本作では急に子供であると宣言されます。
元ヤンキーでホストの大和と、とっても出来た11歳の息子の進。
ホストから宅配便へと転職することによって物語は動き始めます。
最初違和感のあった2人ですが、徐々に絆が深くなっていくのはまあ予定通りと言えばそうなのですが、心地良いですよね。
テンポの良い文章と、脇を支えるサブキャラの充実ぶりが楽しい読書を約束してくれます。
映画化もされたみたいでこれは面白いかも。

ヤマトが進に対して愛情を注げたのは、自分の血の通った子供であることはもちろんのこと、由希子への強い愛情が残っているからですよね。
父親の愛情が息子に注がれたのはちゃんと母親にも伝わっています。
なぜなら息子の几帳面な性格は母親譲りなのですから。
あと個人的には、鈴木先生の話が少しミステリアスで異色で面白かったです。
彼女にも幸せになってほしいですね。
ラストの別れのシーンは続編があるので感動度は少し薄かったような気がします。
でもって近日中に続編を読む予定。

(読了日2月25日)

評価8点
posted by: トラキチ | 坂木司 | 10:07 | comments(0) | trackbacks(0) |-
『ブラックボックス』 篠田節子 (朝日新聞出版)
評価:
篠田節子
朝日新聞出版
¥ 2,205
(2013-01-04)

初出 週刊朝日、加筆訂正あり。
久々の篠田さんですが、やはり読者にとってリアリティのある話を書かせたら上手いです。
テーマが食べるものということがとっても身近で、なおかつ恐ろしくなってきますが、とりわけスーパーのカット野菜やコンビニのサラダなどを普段から手に取っている読者なら今後躊躇われる方が多いんじゃないでしょうか。
主な登場人物は中学の同級生3人で工場で働く栄美をはじめ魅力的な人物はなく、どちらかと言えば巻き込まれてもがいていく人物ということで割り切って読むことが必要です。
例えばサラダ工場での低い室温での長時間労働、あるいは管理者によるセクハラなど、現状細かい問題はたくさんあるのですね。

作者は本作を通して、読者に“長いものに巻かれるな”ということを語っていると捉えています。
食の安全に関しては、知らなくてもよい実態を知った感は否めませんが、理解を深めたことは間違いなく、自分の中ではすごく現実的な弱者である外国人労働者を応援したいなという気持ちが生じました。

少し残念なのは後半部分の展開が早すぎたことでしょうか。焦点がすこしぼやけているような気がします。雑誌連載の弊害が出たような気がしますがラストは痛快と言えば痛快です(笑)
本作のような作品は再読することによってまた新たな発見が出来るのでしょう。作者の意図するところに一歩でも近づけたら嬉しいのですが。

(読了日2月22日)

評価8点。
posted by: トラキチ | 現代小説(国内) | 10:01 | comments(0) | trackbacks(0) |-