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2013年間ベスト10
まだ感想をアップしてないのもありますが(苦笑)、年間ベストテンを発表したく思います。
初読の本限定でひとりの作家で一作品のみとします。
今年は後半、時代物や翻訳ものを手に取る機会が減りました。
この分は来年リベンジしたいと思っております。

2013年間ベスト10

1 『その青の、その先の、』 椰月美智子 (幻冬舎)
2 『永遠の0』 百田尚樹 (講談社文庫)
3 『ラブレス』 桜木紫乃 (新潮文庫)
4 『ピエタ』 大島真寿美 (ポプラ社)
5 『蜩ノ記』 葉室麟 (祥伝社)
6 『きみはいい子』 中脇初枝 (ポプラ社)
7 『愛しいひとにさよならを言う』 石井睦美 (角川春樹事務所)
8 『クローバー・レイン』 大崎梢(ポプラ社)
9 『舟を編む』 三浦しをん (光文社)
10『島はぼくらと』 辻村深月 (講談社)

それでは良いお年を、来年も良い本に出会えますように。
評価:
椰月 美智子
幻冬舎
¥ 1,470
(2013-08-22)

評価:
桜木 紫乃
新潮社
¥ 662
(2013-11-28)

posted by: トラキチ | 年間ベスト | 17:00 | comments(0) | trackbacks(0) |-
『だから荒野』 桐野夏生 (毎日新聞社)
評価:
桐野 夏生
毎日新聞社
¥ 1,680
(2013-10-08)

初出 毎日新聞朝刊、大幅加筆訂正あり。
毒のある作品を期待すれば肩透かしを食らうと思いますが、読んでて楽しいエンターテイメント作品として捉えれば合格点だと言えそうです。
森村家の一家を描いたロードノベル作品ですが現代社会に潜むさまざまな問題を取り上げています。
夫である浩光はやはり間違いなく身勝手な男ということなのでしょう、妻の誕生日なのに最低限の気配りが出来ずに妻が切れて家出してしまいます。
作者は理想的な夫婦のあり方というよりも、専業主婦であることの難しさを問うているように思えます。実際妻を家において働いている夫は例外はあるのでしょうが少なからず“浩光化”しているような気もします。

ほぼ家出する朋美と取り残される浩光とが交互に描かれ飽くことなくリズムよく読者を導いてくれます、このあたりさすがというほかありません。
ただし妻である朋美にもわずかではありますが原因があるようにも読みとれます。物語の後半に特に露わになる世間知らずの一面ですね。目に付いたのはやはり息子たち2人に対する愛情の希薄さでしょうか、母親らしくないのですね。深読みすれば次男の優太が引きこもっている原因は母親にもあるようにも見受けられます。

ラストも無難にまとめたような気配が漂ってます。そのあたりタイトルにも出ていてはたして“荒野”とは家を出た状態なのかそれとも一緒に住んだ状態なのかどちらとも解釈できるように思えます。それだけ希望のない現実を突き付けられた物語でした。
途中で出くわす93歳の山岡さんとの出会いが朋美に対しても物語全体に対してもインパクトが大きいのですが、少しわかりづらかったような気もします。
いずれにしても読者の性別や環境によって感じ方が違う作品だとは思いますが、それだけ普遍性があるとも言えるのでしょう。良い意味でもかつての作者の毒の強さへの期待からは程遠いけど肩肘張らずに読める作品だと言えそうです。

評価7点。
posted by: トラキチ | 現代小説(国内) | 23:34 | comments(0) | trackbacks(0) |-
『虹の岬の喫茶店』 森沢明夫 (幻冬舎文庫)
来年吉永小百合が主演で映画化が決定、タイムリーな読書となった。
解説にて森沢氏の作品を「カジュアル・エンターテイメント」というジャンル分けにて呼んでいるが、言い得て妙な言葉で感心している。
森沢氏の作品は3作品目であるがどの作品も“ハートウォーミングな作風”という言葉がにつかわしいのであるが、その引き出しの多さに驚いた次第であり、それはまさに本作において前半に登場する妻を亡くした陶芸家や学生、そして泥棒たちが岬カフェに出逢い彼らの新しい人生の旅立ちを開始させるかのような感覚、言い換えれば読書の究極の喜びというものを見つけたような気分にさせられる。

森沢氏の作品の登場人物は、他の作家の登場人物と比べて身近に感じられるのですね、本作で特に感じたのは章が進むに連れて前に訪れた人たちの足跡が残っていて、その足跡を実感できるだけで嬉しいような寂しいような複雑な気持ちに浸ってしまいます。それって幸せなことですよね。
オーナーである悦子さんの魅力を語らずにはいられません。彼女のような人生の積み重ね方を理想とする読者も多いのではないであろうかと思います。一番幸せなのは亡くなった彼女の夫なのでしょうね。

そして彼女に支えられている言って過言ではない甥にあたる浩司、彼の本作における役割はきわめて大きいと思います。彼のバンドに熱中した若いころの友情の話がもっとも印象的でした、彼が昔の仲間を呼ぼうとしたところは彼の成長が為し得たことだと考えます。そしてその彼を少なからず悦子伯母さんも頼っているところを垣間見ることができたのが微笑ましい読書となったと自負しております。
ファンタジーのようにも思える話ですが私たちの普段の生活においても当たり前のように思っていることも多いと思いますが、他人に支えられているということを思い起こさせてくれる作品であります。コーヒーを飲みながら読むと感動が倍増します(笑)

評価8点。
posted by: トラキチ | 森沢明夫 | 00:28 | comments(0) | trackbacks(0) |-
『ようこそ、わが家へ』 池井戸潤 (小学館文庫)
文庫オリジナル長編。(ベースとなる物語は『文芸ポスト』に2005〜2007年に掲載)
刊行された時期がドラマ『半沢直樹』オンエアの直前だったのでセールス的にも伸びているお買い得感の高い作品である。
現実を突き付けられ、それを跳ね返して正義を貫きそこから夢に向かって生き抜くところの爽快感が池井戸作品の醍醐味であると思いますが、そういった観点から読めば少し物足りないかもしれません。
逆に内容的には他の池井戸作品よりも贅沢といってもいいもので、会社内の出来ごとだけでなく通勤途中でのプライベートトラブルに巻き込まれた身近な話が重層的に語られていて楽しめる。そうですね、ミステリーの二重構造的な作品が楽しめますし他作品よりも恐怖感が強い作品だと言えます。

ただ銀行か民間企業に出向している主人公倉田が、良く言えば“読者と等身大”、悪く言えば“存在感が薄い”のですね。50歳を過ぎている主人公の年齢を考慮すれば、他作品よりも共感出来る読者の年齢は高めかもしれません。
お若い方が読まれるよりある程度の年齢の人が読んだ方が“サラリーマンの悲哀”は理解しやすいでしょうから。
氏の代表作と言われている『下町ロケット』などと比べると評価を下げざるを得ない作品と認めざるを得ないのであるが、それは解説の村上氏による説明で理解できることである。

大幅改稿されていますが、ベースとなる物語は『文芸ポスト』に2005〜2007年に掲載いますので近年の代表作を書く前の池井戸氏の作品として読めば納得もいくところであろうか。印象的なのは他作では主人公のキャラ立ちが目立っているが、本作ではサブキャラが立っている。倉田の息子の健太や出向先での部下の摂子が代表的ですよね。 並の作家が書けばまとまった物語となろうが、池井戸作品として観ると個人的にはすごく無難に書きあげたという印象が強いのですが、それが池井戸氏に対する大きな期待だと受け取って欲しいと思っている。

評価7点。
posted by: トラキチ | 池井戸潤 | 14:58 | comments(0) | trackbacks(0) |-
『県庁おもてなし課』 有川浩 (角川文庫)
有川さんの魅力が満喫できる極上のお仕事小説。舞台は有川さんの出身地である高知県。高知県庁に実際に存在する「おもてなし課」を舞台にユニークながらも有川さんの郷土愛が詰まっています。
“ビター&スィート”という言葉がピッタシ当てはまる有川作品のご多分に漏れず本作も読者のツボを押さえた展開です。
まあそれは有川さんのレベルにおいては当たり前のことでしょうが、それにしても高知県に行きたくなります。

単なるお仕事小説だけではありません、もっと贅沢な小説です(笑)。作中で描かれる恋愛模様も主人公で県庁おもてなし課に勤める掛水と多紀ちゃんの行く末を案じながら楽しく読めます。掛水の成長小説として読んでみても面白いかも。

そのあたりは有川作品特有の“ほっこり”した読後感でもあるのですが、本作ではもうひと組のカップル(作家の吉門と佐和です)いうか血の繋がっていない元兄妹の熱いシリアスな愛情が凄く読者に伝わって来てどちらかと言えばこちらの方が手に汗握らされます。

観光について作中でアプローチする場面があるのですが、その中で“まずはトイレ”という話が印象的です。
あとは全体を通して、“お役所”の仕事に戸惑いながらも“民間感覚”を意識して行って行くという流れになっていますが腰の重い県庁職員のイメージも良く言えば改善されているのかもしれません。
作中で描かれているかつてのパンダ誘致論を決して無駄にしてはいけませんよね、読者にとっても日常の不合理なことを改善して行く背中を押してくれる作品でもあります。

評価9点。
posted by: トラキチ | 有川浩 | 05:06 | comments(0) | trackbacks(0) |-
『三月』 大島真寿美 (光文社)
評価:
大島 真寿美
光文社
¥ 1,575
(2013-09-19)

初出「小説宝石」。大島さんの作品は初めて読みますが、当初本屋大賞3位の「ピエタ」からと思ってましたが最新作である本作をふとしたことから手に取りました。凄く心に響く一冊に邂逅出来た幸せを噛みしめる有意義な読書となりました。

文体はリズム感があり読みやすく、話の展開も万人受けするものだと思います。
万人受けと書きましたが、繊細なタッチの女性心理描写はとりわけ女性が読まれたらほぼ間違いのない感動と共感が約束されるでしょう。
女性が読まれたら登場人物の誰かに自分を置き換えて読むことが出来、読書の楽しさが倍増します。

物語は短大を卒業して20年が経過し、同窓会の案内状を受け取ったノンが当時に亡くなった男子のことを思い起こし、仲のよかった女友達に連絡を取ることから物語は始まります。
人それぞれいろんな人生があり、時には振り返り想いを馳せることも必要でしょう。それによって心が軽くなって明日への糧へとなりますから。
5編目の再会、そしてラストのニューヨークからの美晴の想いの描写は本当に圧巻。
単なる友情の大切さを描いただけでなく、生きることの大切さを物語の根底にどっしりと据え、読者に平凡に生きることの素晴らしさを問いかけている筆致は鮮やかというほかありません。
現実を見据えつつも夢を忘れてはいけないことを思い起こさせてくれる本作、オススメです。卒業のシーズンにプレゼントしたい本です。人生の岐路に立つ人にピッタシです。さて次は『ピエタ』ですね(苦笑)

評価10点。
posted by: トラキチ | 大島真寿美 | 12:20 | comments(1) | trackbacks(0) |-
『あなたの人生、片づけます』 垣谷美雨 (双葉社)
初出「小説推理」、「ニュータウンは黄昏て」に続き2冊目の垣谷作品。まずタイトル名が本当に秀逸でハッとさせられますよね、内容も見劣りしません。前作に続いて題材がタイムリーというか読者にとって身近に感じられ、思わず読書に入り込んでしまいます。
4編から構成されていますが、大庭十萬里というプロのコンサルタント“片付け屋”が登場します。彼女は50代の平凡なおばさんですが、単なる家の中の片付け屋ではなく、その人の人生を片づけてくれます。
各編の登場人物とも片づけられないようになるまで(人によってかなり差がありますがそれは読んでのお楽しみです)、それなりに環境も含めて原因があります。

それぞれの登場人物、自分自身で十萬里を雇ったわけではないのがポイントとなっていますが、彼らが自分自身の人生を振り返ることによって変化し、そして見つめ直すことに成功します。
最初の30代の独身OLが主人公の「清算」がもっともコミカルで痛快。その後少しずつですが読み進めるに連れて身につまされる思いもしますが、片付け上手な読者は堪えないのかな(笑)

最終編は十萬里の視点で語られ、それまで謎めいていた彼女の素顔が少しですが露わになりますが、内容的にも最もシリアスで感動的で心地良く本を閉じることを約束してくれます、続編希望。

本作は作者にとっては8冊目の作品でもうすぐ9冊目が刊行されます。デビューのきっかけ(「小説推理新人賞受賞」)の影響で本作を含めて半数以上が双葉社からの上梓ですが、これから他社からもコンスタントに出版されることを心から望んでいます。なお本作に関しては続編希望。

評価8点。
posted by: トラキチ | 垣谷美雨 | 17:06 | comments(0) | trackbacks(0) |-
『雨のなまえ』 窪美澄 (光文社)
評価:
窪 美澄
光文社
¥ 1,470
(2013-10-18)

初出「週刊宝石」&書き下ろし。人間誰もが持っているダークで鬱屈した部分をこれでもかと描いた雨をモチーフとした5編からなる短編集。ただしロマンティックな雨ではありません、強烈な雨です。そこが窪作品らしいのでしょう。生きることの辛さ難しさを読者に示すことにより読者にエールを送っています。実際に雨が降るシーンがあるのですが、それよりも登場人物達の抱えている心の闇を象徴している言葉だと感じます。
各編、普通ではないというか何か問題を抱えている人が登場、読者は各編の主人公と比べ、俺(私)はこんなんじゃないとホッとしながらも読み進めるうちに決して心地良さではないのだけど、少しはわかり心を重ねる部分を見出すことだと思います。
その心の闇の奥深さが窪作品の醍醐味と言えるのでしょうね、決して共感出来る作品ではないのだけど、読み終えて自分自身の現実を知り、抑制して生きることの大切さを学びます。

全5編中3編が男性、2編が女性が主人公が務めていますがやはり女性主人公の話の方が優れていると思います。
若い男の子を妄想する中年女性を描いた「記録的短時間記録情報」が最も滑稽に写りました。1編目の男性が不倫をする話との対比が読ませどころです。ラストの「あたたかい雨の香水過程」は夫と別居中で子供と暮らす主人公が最も女性の大変な現実を知らしめさせてくれましたけど最も救いがあったようにも感じます。
少し深読みすれば、本作を読んで本当に息苦しくて読み進めれない方がいらっしゃったら、その方は実生活が本当に幸せなのでしょう(笑)機会があればもう一度じっくり読みたい一冊でもあります。

評価8点。
posted by: トラキチ | 窪美澄 | 22:14 | comments(0) | trackbacks(0) |-
『夜明けの落語』 みうらかれん作 大島妙子絵 (講談社)
評価:
みうら かれん,大島 妙子
講談社
¥ 1,365
(2012-05-23)

作者のみうらかれんさんは現役の大学生で本作にて第52回講談社児童文学新人賞佳作を受賞しています、大賞を受賞した『よるの美容院』に負けず劣らずの作品だと思います。
大賞作品よりもさらに低い学年の児童、そうですね小学校3〜4年生ぐらいから読める内容かなと思っています。作中には大島さんの効果的な絵が散りばめられていて、大人が読んでも視覚的に楽しめその確かな内容と相まって、読者の背中をグイッと押してくれる作品に仕上がっています。
尚、みうらさんは第2作の『なんちゃってヒーロー』を10月に上梓、この感想を書きながら既に読みたいなという衝動に駆られています。

子供の頃って自分の思ったことを人前で話すのって上手くいきませんよね。ご多分に漏れず主人公の暁音(あかね)も皆の前で話をするのが苦手な小学四年生の女の子。日直を一緒にやった落語好きの三島君に5分間スピーチをやることを免除してもらったことから、彼の落語を聞いてあげることに付き合わされさらには自らも落語を始めます。それによって彼女なりの価値観というか世界観が変わって行きます。一番の読ませどころは親友だった初音ちゃんとぶつかりあうところです。これはほぼ予想通りの展開とは言え、小学生にもよくありがちな話だと思います。作者の素晴らしいところは小学生の子供たちにとっての物事の価値観を的確に捉えて伝えてくれているところだと思います。
暁音がとにかく頑張った結果、彼女の世界が広がったのだけど、それ以前に“人間はいろんな人によって支えられているんだ”ということが大人読者の一人としては伝わりました。その点を子供たちが本作を読んで、少しでもその点を感じるとことが出来たら大きな財産となると思います、自分自身がもし主人公と同じ年代だったら本作のような作品に邂逅出来てたらなと素直に思いました。
スラスラ読めるのでもったいない気がしましたが、今も暁音と三島君と初音ちゃんの3人が落語の練習をしていることをイメージして感想を書いています。インパクトの強い作品、作者に感謝したいですね。

評価9点。
posted by: トラキチ | 児童書 | 00:25 | comments(0) | trackbacks(0) |-
『よるの美容院』 市川朔久子 (講談社)
評価:
市川 朔久子
講談社
¥ 1,365
(2012-05-23)

第52回講談社児童文学新人賞受賞作品。児童書というジャンルにはあんまり馴染がなかったのですが、『紙コップのオリオン』を読んでデビュー作も読みたい衝動に駆られました。簡単に言うと大人が読んでも十分に琴線に触れる作品を書きはるということですね。
瀬尾まいこさんの『図書館の神様』等が好きな読者には是非手にとって頂きたい作品です。
主人公のまゆ子は小学6年生の女の子です。自分の何気ない言葉のせいで友人のタケルを交通事故に遭わせてしまい、そのショックのために言葉を発せない状態となり、親元を離れて親戚で“ひるま美容院”を営むナオコ先生と一緒に暮らしています。

そこでまゆ子は自分自身を取り戻して行きます。その過程が見事に描かれているのですが、何と言ってもまゆこの読者サイドからみても思わず応援したくなるキャラの描写が素晴らしいですね。
サワちゃんや颯太やダジャレ好きな古本屋の主人など、まゆ子を取り巻く人物も凄く和める人ばかりなのですね。
とりわけ颯太の登場の仕方とまゆ子に与えるインパクトの大きさは称賛に値しますし、大半の読者が同意見だと思います。
そのあたり、作者の人となりがまゆこの人格にも乗り移ったかのように見受けられ、とっても感動しました。

後半の物語の真相が明らかになってゆく過程は心地良さこの上ありません、それはやはり親元を離れて環境が変わっても前向きに生きてゆくことの大切さを失わず、充実した生活を過ごした日々のおかげなのですね。
タイトル名にもなっている“よるの美容院”という言葉も読者にとっては印象的であります、それは定休日である火曜日の前日(月曜日)の夜にまゆこがナオコおばさんにシャンプーしてもらっている光景から由来しています。
まゆ子にとって、美容院での想い出はこの言葉に凝縮され、今後の長い人生にとって大きなプラスとなりました。私は少しギクシャクしている母親との関係も必ず修復されると信じて本を閉じました。

評価9点。
posted by: トラキチ | 児童書 | 14:17 | comments(0) | trackbacks(0) |-